ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.256 相合い傘で子育て中…しっとりじっくり理解しあおう

売れ残りと罵られながら 人買いに連れられて歩く少年・清二。猫を助けて自動車にはねられ大怪我を負う。猫の飼い主で、元華族の売れっ子小説家の是清が家に連れ帰り助けてくれた。ケガが治るまでと、預かっているという赤ちゃん・伊織の面倒をみながら暮らす内に、清二は傲慢で変わり者の是清を可愛いと思いこのまま一緒に暮らし、ともに一生そばにいるのだと決める。そして3年たち、清二はすくすくと成長し是清よりも大きくなり男らしくなると、なんだか落ち着かないような気持ちになって。


ツンデレー。
お互いにお互いしかいらない。
やっと気持ちを傾けられる相手ができてよかった。
雨の中に消えたくなるというのも、意味深でいい。
そして伊織もかわいい。
でも、タイトルだけ聞くと、可愛らしい話なのかと思いきや、結構ヘビー。
時代背景もあるけどね。
や、面白かったです。

今日の一作vol.255 にわか雨の声…言葉がみえても無口な彼相手だと難しい

にわか雨の声 (ショコラ文庫)

にわか雨の声 (ショコラ文庫)

太陽はある日ロードワークの途中に寄ったカフェでとても美しい人に会う。カフェの店員の彼、時雨は帰り際にキスをしてきた。でも店を一歩でると、太陽はそのことを忘れて、また行こうと思うだけ。
実は時雨は太陽の幼なじみ。
時雨は小さい頃から言葉に色が見え、それをつかんで飲み込むことも出来た。おかげでまわりの本心がわかり、オッドアイのことをからかったりされ、ひとりで過ごすことが多かった。引っ越して隣の家の太陽に出会い、言葉がうまくでてこないなりに、よく考えて出す太陽の言葉はとてもキラキラしていた。瞳のことも綺麗だと誉められ、時雨は太陽が一番になった。
ずっと一緒にいたいと願い太陽も時雨を好きだと確信し体を繋げるにいたるが、太陽は自分か暴走したのだと思い後悔。それに時雨は間違えたのだと思い時雨に関して忘れるようにと太陽にキスをする。

記憶の抜けに疑問を持ち、太陽は再会した時雨に問うが。


共感覚からの超能力ですが、面白かったです。言葉で記憶をとったり返したりすることができるのは面白い発想ですね。
時雨の子ども時代から追って書かれてるので、太陽にすべての気持ちを向けるのもよくわかるけど、もっと話しあえよと言いたい。勝手に判断すんな。
記憶消したら、自分が虚しいだけなのにね。やり方間違えましたね。
なんて、アドバイスをしてくれる人が、もっといればよかったのに。不器用な二人でした。
話は面白く、読み応えありましたが、時雨の屈折したところが、あまり好みの屈折具合ではない(^◇^;)ので、せめてもう少し後日談で楽しくラブラブな二人を読みたかったかな。
太陽のように無口なのが暴走するのは好きです。

今日の一作vol.254 覗く瞳、濡れる心…天然誑しの男前受は質悪い(笑)

覗く瞳、濡れる心<特別版> (ラルーナ文庫)

覗く瞳、濡れる心<特別版> (ラルーナ文庫)

高校、大学とつるんできた桐原と久瀬。大学の時にある日久瀬が桐原を抱きたいと迫る。賭で負け、それから桐原は毎日のように抱かれた。そしてまた突然久瀬は姿を消す。そんな簡単な関係だったのかと傷ついたところへ桐原の父が死に借金を負う。大学を辞めホストをして借金を返すとともに独立して、今や三軒のクラブを経営するまでにのぼりつめた。
順調に過ごしていたところへ再び突然久瀬がやってきて、桐原の家に居着いてしまう。久瀬はフォトグラファーとして名が知られるように。相変わらずな久瀬に桐原はペースを乱されて。

いい男たちがいちゃついてます。
なんだかんだとお互いに惚れてんだからねー。
桐原の店のスタッフたちの気分。
憧れの桐原の素の顔が見れるし、いちゃつきをみれるのは楽しい。
男前な桐原に誰もが嵌まる。
魔性なんだけど、凛としてる。
でも人に好かれることに鈍感なんだから質が悪いっす。

でも楽しい。

今日の一作vol.253 蜜恋エゴイスティック…忠犬わんこは猫かぶりより怖いかも

蜜恋エゴイスティック (幻冬舎ルチル文庫)

蜜恋エゴイスティック (幻冬舎ルチル文庫)

元モデルの希理は年下の翔吾と10年のつきあい。甲斐甲斐しく世話を焼かれ溺愛され体の関係もあるのに頑なに恋人とは認めようとしない。というのも翔吾は希理の異母弟。子どもの頃に弟の存在を知り、一度会ってからは姿だけを追っていた。見る度に格好よくなっていく翔吾に弟に対して以上の想いを抱いてしまう。偶然にも高校で後輩となり話をするように。そして告白される。断ろうと思ったけど、他の子にとられるかもと思ったらたまらず、体だけでいいならと遊びを装う。以来セフレの位置を保つが本当は大好きで仕方ない。
でもこんな関係は翔吾のためにはならないと別れるために上司に協力を頼むが。

わんこ腹黒~!
もうね、理詰め野郎が高圧的に諭してくるのは腹たつけど、わんこ装って囲い込みされると理詰めされてるのに頷いちゃう。
ある意味質悪い。
結局二人とも子どもの時からラブラブなんじゃん。
血が繋がってようが、すでに体の関係からなんだから、さっさと認めちまえ。
希理の抵抗まさに無駄。
シリーズの中でこの作品が一番好きかな。
別に単独でも十分ですが、所々の登場人物のつながりを知ってると楽しい。

今日の一作vol.252 おまえが望む世界の終わりは…わからないけどわかる。けどよく考えないと意味が汲み取れない。

映画監督兼俳優の佳人。今撮っている映画の操演を請け負う孔太はつい先月別れたばかりの恋人によく似た、でも苦手な年下の男。
会ったその日にやらせてくれないかと迫られる。でもどうみてもノンケで試したいからだという孔太にムカつき、途中まで演技して相手してやり、キッパリとやめさせる。
そんな態度で通すが孔太は10年つきあった彼女に振られ自分を見失っているという。親方にも頼られ同居させてやるが、おかげで孔太も佳人も自分でも知らなかった自分のことを受け入れることができ、そんなお互いを必要とするようになって。

難しい!
わかりますよ。わかりますけど、噛み砕いてもう少し書いてほしいかなー。
子どもの時代の過ちは誰でも大なり小なり経験するものです。
だからわかるけど、ニュアンスで理解したところも多く、抽象的な面もある。
菅野さんの話は子どもから大人への話が多いというか。
凄い思い入れで書いてあるというのはあとがきにもあったけど、読んで楽しい話が好きなので、悲惨な話などは現実的じゃない話は読みますが、現実感ありありなんで、ちと苦手でした。
ごめんなさい~~
この説明でよくわからないという人は読んでみて下さい。

今日の一作vol.251 錬金術師と不肖の弟子…思いがけず楽しかった!

幼い頃の記憶がなく、田舎で老錬金術師エレズに育てられたリクト。ある日エレズの命で王都に上京し、錬金術師アダルバートに弟子入りすることに。だが、着いてみるとアダルバートはギルドにも属さず変わり者といわれるが凄腕の錬金術師だが、弟子はとらないと断られる。エレズの命だというと、居候は許してくれた。かくして同居生活が始まるが、出掛ける時は老人の姿だが、術を解くと麗しい美青年のアダルバートにリクトは胸の奥が疼く。そして、断片的な記憶が蘇ってきて。

ファンタジーですな。
読み始めるまでは胡散臭そうな話じゃあ?と思っていたけど、どっこい。
リクトのすっとぼけかたやエレズや竜人のレナート様の突き抜け方がツボに。
話も色々噛み合っててそれがちゃんとまとまるのが凄い。
結果リクトはエリオット王子の器でエリオットの魂がリクトの中にあるわけだけど。よくある生まれ変わりで前の恋人だからまた愛してくれるのかと悩む主人公なんかありますが、アダルバートはむしろリクトを好きなのがちやんとわかるので、リクトも鈍いながらも、その辺はあまり悩まず、ただ一緒にいられて嬉しいと言えて良いなと思った。
あんまりグダグダ悩まれるとうっとおしくて、話を楽しめない。
この話はなんかふわふわとしながらも芯はあって重い話なんだけど、無事収まって良かった。
本当に読んでみなけりゃその辺分からないので、読んでみて下さい。

今日の一作vol.250 雪だるまは一途に恋をする…かわいいけど微妙。

雪だるまは一途に恋をする (二見書房 シャレード文庫)

雪だるまは一途に恋をする (二見書房 シャレード文庫)

季節が冬と夏しかなくなってしまい、犯罪は増え仇討ちが合法化された。
正当な仇討ち請負組織のメンバーだった琉と翼は組織を離れて暮らしていた。
冬、翼が家の前に雪だるまをつくる。
ユキと名付けて翼が甲斐甲斐しく面倒をみて話しかける。ユキはそんな翼に心をもらった。
翼と、翼とユキを暖かく見守る琉。
ユキは二人とも大好きだった。
ある日強硬派の組織が翼と琉を狙ってきた。二人とも撃たれ、翼は命を落とす。だが、翼はユキに琉を守ってと言い残す。
目が覚めるとユキは翼の体に入って人間になっていた。
驚くが琉の為にと懸命になる。


色々心を持ってしまう話はありますが、雪だるま、ですか。
ユキはとても可愛らしいし、琉のお好みの性格だったのでしょう。
雪だるまだったときのユキだって好きだと言われてもそれは、うーん。
翼と琉が雪だるまに意義があるのは中編の話からわかるけど、恋愛までなるかといわれるとねー。
無理ありますねー。
人間になってからのユキはとてもいい子なんで、そこで惚れるのはわかりますけどねー。
近未来の話なんだから、人工知能が内蔵できる雪だるまだったとか、もう少し捻りがあってもよかったんじゃ?
まあ興味深い話でした。