ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.266 そんなに愛情いりません…素直に愛情受け取りましょう

そんなに愛情いりません (Holly NOVELS)

そんなに愛情いりません (Holly NOVELS)

比嘉の父親はプロボクサーで試合中にダウンしそのまま亡くなる。しかも薬物の疑いをもたれたまま。汚名を晴らすためにも比嘉はプロボクサーを目指す。
高校で幼い頃よく面倒をみていた一つ下の瓜生と再会。ボクシング部に誘い鍛えることに。身体は大きくてスタミナもある瓜生だが、人より鈍くヘタレだが、比嘉に懐いていたために厳しい指導にもついてきて、力をつけていった。
しかし比嘉はコーチにも言ってないが、いずれ失明してしまう難病だったためプロテストを受けるのに躍起になるが、視力が足りずに散々な結果に。
それからは比嘉は無気力になるが、瓜生へ比嘉の代わりにプロになり夢を果たそうとし、比嘉の面倒を卑屈なまで見続けるが。


かなり深くて面白かったです。
でも比嘉のわざと嫌われなきゃという思考は嫌ですね。
確かに瓜生ウザイですが、まあそういう奴だし、比嘉が立ち直って叩き直してやれば、ウザイのもやや緩和されんじゃん?
ウザイほど比嘉を愛するのは母親からのネグレクトの裏返しのお母さん愛して、という感情が比嘉にシフトしたものだからまあしつこい。
大型犬なのはしようがないけどね。
ボクシングの試合に主人公が勝たないのがいいですね。現実的です。
でもそれで、比嘉も素直になって、立ち直れたからよい。
ボクシング、あしたのジョー以来久々に興味持ったわ。

今日の一作vol.265 きみはまだ恋を知らない…タイトル通りでしっとり!

シングルマザーの母の影響で、性嫌悪・接触嫌悪になってしまった絵本作家の司。母亡きあと、絵本だけでは暮らせないので副業として家事代行サービスのアルバイトをしながら暮らしていた。
ある日、青年実業家の藤谷の指名を受け、彼のマンションに通うことになった。
藤谷は極度のきれい好きらしいと聞き緊張していたが、仕事おわりについ高層階からの眺めに絵を描いているところを見られたが、彼は優しく、司に色々親切にしてくれた。
そして司が触れられることに拒否反応をみせ、その理由を知ると、練習して慣れるようにしようと言ってくれて。


母の影響やゲイかもしれないという自分に嫌悪する司ですが、そのせいで人との対応がうまくできない。でも藤谷にはゆっくりと惹かれていく。
その過程がよく理解できて、しっとりとした話になってます。
なにより志水さんのイラストがよい!
藤谷も司もイメージ通りで、読んでよかったという作品。
もっと欲を言えば
藤谷目線からの話も読みたいし、絵本がヒットしてからの世間の評価に戸惑うところとか、ホントの異母兄とかから藤谷さんが司を守ってやり合うとか、読みたいですね。
続編希望ですね。

今日の一作vol.264 高潔な人~美しき陵辱王…ただ性癖メインの話かと思いきや!国同士の話も読み応えあり。

ラスウール国の若き王ユーリは軽々しく相談できない性癖があった。それは性奴隷のように陵辱支配されたいというものだった。しかし王として国を治めている身ではなかなかそんな望みは果たせない。そんな時お忍びで城下を巡っていたときにある吟遊詩人を見かけ彼と関係を持つ。彼はユーリの望み通りに抱いてくれた。名前も聞かず会えたら関係する日々。それだけでよかったのに、ある日サルバ王国の使者としてやってきた王子シュバルツが、かの吟遊詩人だった。
彼はユーリが王だと知って近づいたのか、それとも。

なかなか下地のある話で、面白かった。
なぜそんな性癖になったのかとか、国同士の駆け引き、シュバルツの出世欲のなさ、ユーリの真面目で天然な性格とかも混じって、ただエッチしてるだけの話ではないです。
まあ、ちょっと惜しいなあというとこはシュバルツが何を画策してユーリに近づいたのかをはっきりさせてその後その計画をどう変更したのかを、ユーリに惹かれていく過程と合わせてもう少し詳しく書いてほしいかな。
ぼかしても判るけど、敢えて書いたほうがラブラブ感がでるのに。
じいちゃん王がいい味出してる。孫らぶなのがいいわ。

今日の一作vol.263 おやすみなさい、また明日…毎日忘れて、毎日思い出す。また明日も。

おやすみなさい、また明日 (キャラ文庫)

おやすみなさい、また明日 (キャラ文庫)


あまり売れない小説家をしているつぐみ。十年来の恋人に子どもがほしいからという理由で別れを告げられる。
傷つき仕事も手につかず、締切に間に合わずに途方にくれていたそんな時に出会った青年、朔太郎の祖父が管理するアパートに越すことに。
アパートの住人はみな癖のある人ばかりだけど、ゲイのつぐみのことも偏見なく受け入れてくれる。そして朔太郎もつぐみの小説のファンだといい、2人でまったりする時間は心地いい。自然と惹かれあい、お互いに好きだと思う。でも朔太郎は頑なに友人としてのつきあいをする。それは朔太郎が記憶障害があるからだった。いつか恋人のことも忘れてしまったら、と。
つぐみは朔太郎のために話を書くのだった。


何度も読み返して何度も泣いてしまいます。
以前にもタイトルだけは紹介しましたが、改めて。
朔太郎は事故で頭を打ち、怪我が治ったあと健忘症に苦しむ。会社を辞め祖父のアパートで、うつろな日々を送っていたときにつぐみの作品を読みあるがままを受け入れるように。
記憶を無くしていく怖さと、記憶障害によって人を恋人を傷つけてしまうことと、それでもつぐみを好きになってしまうことの辛さが、つぐみを通して、じわりと伝わります。何とかしてやりたい、でも代われるものではない。だからつぐみは「朔太郎さんのこと」という話を書く。日常の出来事を書き留めておくだけ。
2人はやっぱり愛し合ってて、忘れてしまったら捨ててほしいという朔太郎にずっとそばにいるとつぐみはいう。
そして一緒に暮らすことになり、1日の終わりに「おやすみなさい」という。
また明日おはようといいなんでもないことを一緒にしたいという、このラストがステキです。

そしてその後のショート。
読んで下さい。
ボロボロ泣いてしまうしネタばれだと興ざめなんで書きませんが、また明日、と朔太郎が愛をくり返すと言えばいいのかな。切ないし悲しいしでも二人は幸せなんだしと、涙が止まりません。
あとがきではこのショートを書きたいから本編を書いたようなものと、凪良さんは書いてます。
私もこのショートなくこの作品は成り立たないと思う。
元は恋愛前夜のスピンオフなんですが、そちらはコミカルな話なんで、ギャップはあります。浸りたい方はむしろそちらを読まなくてもいいですね。

ほんとに泣きたい時は読み返します。
長くなりスミマセン。

今日の一作vol.262 傲慢上司と生意気部下…タイトル通りですが、好みの問題

傲慢上司と生意気部下 (ショコラ文庫)

傲慢上司と生意気部下 (ショコラ文庫)

ネット通販のアパレルメーカー勤務の久哉は甘い容姿ながら仕事には厳しく、口うるさいと同僚からは煙たがられていた。そんな時、外部からCEOとして迎えいれられたのは外見も中身も完璧な二階堂。隙のない彼に警戒するが、システム部のかなめとして、役員にも引き上げられ行動をともにすることが多くなり、どうしても意識してしまう。
そうして忙しく過ごす頃、唯一の肉親の姉が事故で他界。1人残った姪の里穂を引き取ることに。仕事と子育てと久哉は翻弄され、二階堂に頼ることになり。

ほんとに二階堂が傲慢で、こんな奴を好きになるなんて久哉はMだね、
仕事のことや、恋愛のステップアップがまあまあ順当で、子育てもうまく絡んでよかったのだけど、ラストで二人がまとまってラブラブで終わる、のもいいですが、あれ?
ここまで仕事の話と子育ての話がわりと詳しくかかれていたので、ラストが急に余韻なく終わったのが、不自然。
そもそも出張で二人できてるんだから、ラブラブしたあとは戻って仕事の報告やら里穂ちゃんにどう向き合おうか悩むとかしてよ。
終わり良ければとかいうけど、きれいにまとめてほしいな。
二階堂が不審すぎて私は好きじゃないので、余計にキレイに終わってほしかった。

今日の一作vol.261 九尾狐家ひと妻夜話…モフモフ子狐がキュート

九尾狐家ひと妻夜話 ~仔狐滾々~ (二見書房 シャレード文庫)

九尾狐家ひと妻夜話 ~仔狐滾々~ (二見書房 シャレード文庫)

シリーズ3作目。
九尾狐家世継ぎの焔来の妃となり九尾の仔狐・煌来を出産した八緒。しっぽが二本に増え霊位が上がり寿命も延びたことで焔来は喜ぶ。そして次の仔狐を出産。八緒によく似た黒い仔狐で焔来は溺愛するが、しっぽは増えず産後の肥立ちも良くなく、八緒を気遣ってばかり。
そんな時、竜族の王太子が来訪。接待役を二人は任されるが、エドワードは八緒に迫ってきて。


棄て猫だった八緒が、実は九尾狐家の 焔来の従兄弟で、術により猫の姿にされていて、 焔来と幼なじみで主従の関係から恋人となりできちゃった婚しちゃうわけです。
今回の話は二人目を産んだ八緒の体を心配することと、八緒にちょっかいだすエドワードとのやりとり、ヤキモチ、事件などがありますが、結局ラブラブしてます。
異世界の幼なじみ主従、シンデレラというより醜いアヒルの子の話。で、ケモモフで可愛い。
無理やり異世界移動で人間とのラブよりもすんなり話が通ってよいです。。
仔狐がほんとにかわいいので。
それだけでもいい。
ま、お話しも二人がラブラブだからこその揉めごとなんで、安心して読めました。

今日の一作vol.260 淫獣…マッコウクジラ受け。

淫獣~媚薬を宿す人魚~ (Splush文庫)

淫獣~媚薬を宿す人魚~ (Splush文庫)

ある日、海辺のビストロでシェフをする赤尾の店に入ってきたびしょ濡れの客、久白。無一文だという久白を住み込みで働かせることに。
素性のしれない人間を置くことに多少警戒はしたが、真面目によく働くし、男なのに色気があって、いい匂いのする久白に赤尾は次第に惹かれていくが、久白を狙うものがやってきて。


久白たちの生態を詳しく書いちゃうと面白くないので、感想だけ。
えっちいです。
人間の欲望のために、狩られるばかりの久白たちだけど、久白は赤尾とつがいになれて、まあ、やりまくってます。
モブにやられるシチュのって嫌いなのですが、そういうこともなく、二人でいちゃいちゃしてくれてよかった。

あとがきが面白かったので、マッコウクジラ受けなど、BL脳の方はよく理解できるかとおもいます(笑)