今日の一作vol.325 後宮秘夜~覇帝と双花の寵妃~…セオリー通りの捕らわれた身代わり皇子の行く末。でも華がある話。
- 作者: 藤森ちひろ,旭炬
- 出版社/メーカー: 海王社
- 発売日: 2017/11/28
- メディア: 文庫
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王道も王道。
話の先が見えているので、安心して、むしろどう二人が惹かれ合っていくのかを追っていけて良かった。
このところ読んでいるのが中華風ばかりなので、服装や宮廷内とかがイメージし易くて、スイスイ読めたのもあるのか、身体で落とされていくのもなかなかに味わいありました(笑)
思っていたよりエッチ度が高かったといいますか。
やはり変にひねったものよりいいですね。
王道をいかに面白く読ませてくれるか、それが作家さんの力量ですよね。
いやーよかった。
今日の一作vol.324 僕の中の声を殺して…ウィルスから人間まで寂しさには勝てないのか
- 作者: 渡海奈穂
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/12/19
- メディア: 文庫
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そこへやってきたのは市役所職員の幟屋。まだ極秘だが、人に寄生して丸ごと乗っ取る謎の生命体が出現し、感染した人は死んでしまうという。
そこで生物の声が聞こえるという宮澤にその捕獲もしくは治療に役立つよう協力を求めてきた。
しかし誰も宮澤の話など聞かなかったくせに今更と拒絶し続けてきたが、幟屋の熱意と細やかな気配りに宮澤は絆され、協力していく。すると今まで聞こえてきたものは生物の感情で、それらをなるべく聞かないように制御することもできるようになってきた。そこまでには幟屋がいてくれるからという安心があり、無意識に宮澤は幟屋に依存していく。幟屋が仕事のことを後輩と話しているだけで嫉妬するように。そして幟屋も肉親をすべて亡くし、仕事に没頭することで自分を保っていたが誰にも心を開かなかった宮澤が自分を頼ることに満足を覚え宮澤を愛しく思うようになり。
結局謎の生命体は謎なんですねー。
好き嫌いが分かれる話です。
私は、読み始めはダメかなと思ったけど、読み進めると味わいがありました。
宮澤のツンデレが可愛い。
幟屋もそれにやられてますな。
謎の生命体「ハイノリ」はそのうち自分達の体を作ってもらってそちらにどうぞという形になるのでは?
まあそこはどうでもいいけど、無闇に人を否定してはダメですね。
まず受け入れて話しあうことから始めよう。
今日の一作vol.323 オタクな美坊主とイクメンアクター…現実だったらこのカプ生々しい
- 作者: 淡路水,加東鉄瓶
- 出版社/メーカー: 三交社
- 発売日: 2017/12/20
- メディア: 文庫
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毎朝真紘を送ってくるヨレヨレの怪しげな男だったが、真紘を引き取って父親となった経緯やアクターとしての彼を知る内に憧れから恋に変わり…。
まずイラストがゴメンナサイ、好みではないです。
幼稚園の保護者をうっとりさせるほどの美形にはみえないので。
お話は面白いですが、場面きりかえが、もっとスムーズならよかったな。
なんか慈円の独りよがりな感じのところがままある。
真紘くんのしっかり具合は好きです。
将来慈円を手に入れようと目論むとこが5歳児にして恐るべし。
ちょっとエッチ多めなのが良いのか悪いのか。
もう私的にはそんなにエッチはいらないので。
ドキドキやストーリー展開をもっと読みたい。
今日の一作vol.322 キス…感情は育つもの。ターニングポイントで立ち止まるか進むのか。
- 作者: 一穂ミチ,yoco
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2017/12/09
- メディア: 文庫
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どうして苑に構うのかは分からなかったが、2人はある夏の日、神社でキスをするカップルを目撃する。
苑は刺激的過ぎたのか鼻血を出してシャツを汚してしまう。
明渡の家で洗濯してもらうが明渡の親戚の果菜子と出会う。果菜子は苑の事情は知らない為に気軽にお祭りに誘ってくれた。明渡の太鼓を見に行くだけとお祭りに行くと案の定同級生にからかわれて逃げ帰ると家では喧嘩してばかりの両親が情事の真っ最中で追い払われてしまう。追い詰められ消えてしまいたいと雨の降り出す中山奥へと足をすすめる。すると追ってきた明渡とともに土砂崩れに巻き込まれ明渡が頭に怪我をしてしまう。パニックになった苑に明渡はキスをしてきて。
何年たっても明渡は苑の側にいて、キスをして、やがて苑が明渡を好きになった時、明渡は。
タイトルのキスはたいして重要ではないかと。
確かにキスをきっかけに、ということですが、蛇抜(苑の名字で、土砂崩れという意味)のほうが重要。
まあタイトルが蛇抜では一穂さんぽくはならないけど。
明渡が始め苑を構ってたのは大して意味もなく、ほっとけないというのと、うるさいことを言わないからという、それだけ。それが唐突に恋に変わります。
その成り行きは最後まで読んでみるとわかるのですが、その執着で明渡を友達としてしか思ってなかった苑を無理やりモノにしてしまう。
苑は性に対しての嫌悪感はあったが、明渡にたいしては、自分のようなものを欲しいというならくれてもいいくらいと思っていた。明渡の云う通りにして働き金を貯めて家を出ることにし、東京で二人で暮らす。
苑は明渡に依存まではいかないけど、こんな自分を、という気持ちから始まっているので東京で働くようになって、自分に自信も出来て、その辺は明渡に感謝だね。でも明渡の俺様な性格は好かん。
そして明渡の苑への感情がなくなってしまったことがどれだけ苑を傷つけたのか。理不尽や!
そりゃ明渡のせいではないけどね!
でも理不尽や!
苑がちゃんと自立してくれて良かった。
東京へ出てくる前の苑だったらまた消えたくなるだろうに。
まあまあ、読んで下さいな。
私は明渡は好きじゃないけどね。
ラスト、苑は何だかんだ言っても追いかけてきた明渡が、俺様なこといいつつも震える手で苑を掴んでくるのをみないふりして受け入れるのだろうけどね。
明渡の、「リセットされたらまた始めからやり直す」というセリフはよかった。
一穂さんの話はじっくり書き込んでるから読み込んでいかなきゃならない。
それがいいときもあるし笙に合わない時もある。
今回は私の好みから三割ほどのずれがある。
今日の一作vol.321 情熱のかけら…抑えた情熱はピュアとはいえないし何の解決にもならない。友達というカテゴリーにしがみつきすぎ
- 作者: 高岡ミズミ,えとう綺羅
- 出版社/メーカー: Jパブリッシング
- 発売日: 2017/11/20
- メディア: 文庫
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以来、親しかった西崎も含めて3人で月一で会うように。しかし、会う度に好きだという想いを抑えられないようになり、それを知られることの怖さが勝り藤尾に怯えるような態度に。
そんな中酔ったまま藤尾に抱かれてしまう。そしてその後はなし崩し的に関係を持つように。それでも藤尾には彼女がいて、二人の姿を見てしまうと耐えられなくなり、鳴海は藤尾から離れようとするが。
少しも鳴海の気持ちに共感できないし、藤尾の態度にも賛同できない。
短編で、藤尾の気持ちや西崎の気持ちなんかもかかれてますが、それでもそうなのかあ、という気持ちにはならない。
鳴海はただのMなの?というくらいに自虐的だし藤尾の態度に傷つきながらも会うのを止めないという。そして西崎とも慰めとはわかってながら身を委ねるし、西崎の彼氏の恵くんが一番可哀想だし、応援したくなる。
結局友達でいたいといいながらも、みんなそんな立場に満足できてないし、なら告白して気持ちの整理つけてから前に進めよと思うのに、それもしないで自分の中であーだこーだと理由をみつける。
藤尾もまた言葉に出せないなら態度で、抱くなら強引なだけじゃなく愛されてる?と思うくらいに抱いてやれよ。
何かなんでこんな言葉足らずばかりのやつらなの?
イライラする話でしたわ。
単行本の文庫化ということだし、昔の作品ということで、まだこなれてない感じがありあり。
お互い好きだったとわかってから後のイチャイチャがウザイ。
嫉妬と独占欲の好きな方は良いかとおもうけど。
今日の一作vol.320 さよならガラスの恋心…過去より明日。一歩踏み出せば何かが変わる
- 作者: 伊勢原ささら,麻々原絵里依
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 文庫
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そんな夏季だがつきあって一年になる美樹本という恋人がいる。彼に嫌われないよう気を張り詰める夏季だが、忙しいのかあまり会いに来てくれない。
過去のトラウマから体調が悪いとパニック障害を起こしてしまう夏季は、このところ頭がぼんやりすることも多く、気をつけてはいるが、働いている定食屋の常連で美樹本の同僚でもある副島に色々と気を使ってもらい家まで送ってもらったりした。恋人の美樹本といるより副島といるほうが落ち着くようになり、困惑しているとき、街で偶然美樹本に会う。しかしその美樹本はいつも家に来てくれる彼とは違う人間のようで、言われたことも覚えのないことばかり。自分は何かおかしいのではと、副島に問うと思い出さなくていいと言われ。
漁師の家で華奢な夏季。家族にも役立たずと言われ唯一料理でみんなが食べてくれることが嬉しかったという。
そんな夏季だから副島のように怖い顔でも美味しいといってくれて、優しく包まれたらそりゃあ嬉しいよね。
島での初恋といえるのか、ただ初めて優しくしてくれたから好きになったというだけの男に酷く振られ、それがもとで島から出なくちゃならなくなったし、対人恐怖症にもなっちまった。
そしてまた美樹本という顔だけの男にひっかかる。
こういう必要とされたい人間はダメな人間にひっかかりやすいので要注意ですな。
まあそれでもひねくれずに真面目に生きてきたからこそ副島という当たりをひいたわけで。
生まれてきて良かったと言える恋ができてよかった。
誰にでも今一歩出さなくちゃという時があるけど、夏季がそれを間違えずに踏み出せてよかったです。
今日の一作vol.319 ダメ博士とそばかすくん…こんなダメ美形はいやだ
- 作者: 間之あまの,花小蒔朔衣
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2017/11/30
- メディア: 文庫
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ある日階段から落ちそうになった実里をかばったため利き手を捻挫してしまった千堂の世話をする為、ひと月ほど住み込みで手伝いをすることに。
何事にも無頓着な千堂に実里はせっせと大型犬を相手にするようにお手入れと躾をして、人並みの生活を送れるように。
落ち着いてくると、もとより好みの美形に味わいある性格に実里は千堂を好きに。さっぱりとした実里は告白をしてみると、二人の関係は変化してきて。
「おとなりの野獣さん」のスピンオフ。
博士のダメっぷりと実里のスパーンとした性格、二人のやりとりがすごく面白い。
博士はホントにどうしようもないですね。現実だったら手も出したくないです。めんどくさい。
まあ千堂の相手は実里にしか出来ないということでしょう。
愛の言葉がすらすらと天文を専門にしているから宇宙になぞらえて出てくるのが感心しました。
そんなやりとりがただただ面白い。