ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.192 溺れるほどの愛を聴かせて…正統派ラブストーリーって感じ

溺れるほどの愛を聴かせて (幻冬舎ルチル文庫)

溺れるほどの愛を聴かせて (幻冬舎ルチル文庫)

自身の才能の限界と弟との違いにピアノを人前で弾けなくなった透琉。今は作曲や調律をして過ごしていた。
ある日立ち寄ったバーで自己流ながら楽しそうにピアノを弾く拓真と出会う。その日は嫌なこともあり酒を飲みすぎてしまった透琉は拓真に慰められ抱かれて泣く事で鬱憤をはらしてもらった。
連絡先も交わさないまま、二度と会うこともないだろうと思っていたが、どうしてかまた偶然会ってしまう。
そして拓真に唆され、彼の劇団で劇中の曲を作って弾いてほしいと言われる。
人前でなんて弾けないとは思ったが、何故か拓真の側では気負うことなく弾けた。そしてこれで何か変われるのかもと、話を受けることに。
そして拓真も過保護なほどに透琉にかまってきて、透琉は心が溶かされてきて。


拓真のすきすきアピールで透琉の固まったままだったピアノへの愛とか自身への自信とかがほぐされていくのが、自然に書かれていてよかった。
慰めで体から入った関係だけど、拓真の真摯な気持ちが伝わる。
ぶつかって奪うじゃなくて、羽毛布団で包んではなさないような愛しかた。
どちらにしても結構激しいけどね。
ピアノも最後は今までと違ったかたちで挑戦していくことになって、お互いに成長できたし、めでたしですな。