ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.212 獄中…男だらけの中に一輪の花。想像通り!

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

美貌の弁護士の蜂谷は昔から男に絡まれ何かと虐められてきた。中学3年の時にはついに強姦されそうになったが、助けてくれたのはヤクザ。
急に姿を消した彼を蜂谷は忘れられなかった。が、そんな体験から理不尽な事は許せないように弁護士になる。
しかしある日、顧問をしていた代議士に迫られ突き飛ばして逃げ死なせてしまう。正当防衛などは認められず刑務所に入ることになるが、そこは思っていた以上に酷いところで、ある刑務官から目をつけられ、ヤクザだらけの部屋と入れられる。
夜早速輪姦されそうになるが、二階堂という部屋の主に囲われ、彼一人のものとされる。行為自体は初めてであり苦しかったが、二階堂が子どもの頃に助けてくれたあのヤクザとそっくりで。


意外にも刑務所の中のことがしっかりと書かれていて、しかも刑務官の圧制や理不尽な罰など、無さそうで有りそうなところをうまく織り込んで、蜂谷の性格を盛り立てて生かしてると思う。
結局蜂谷は無罪だった訳で冤罪での色々な裁判をこれから起こして行くわけですが、二階堂とともに怖いものなんか無いでしょう。

リアル的な獄中BL話は木原さんの「箱の中」が一番ずんとくる話です。
いや、だって、恩人が同じ刑務所で同じ部屋になるって有り得ないでしょ。
そんな運命的なことを狙っていたなら、ちょっとやり過ぎかな。もう少し自然な偶然でお願いします。