今日の一作vol.258 神さまのビオトープ…世の中は秘密だらけで、みんな好きに生きていい。
- 作者: 凪良ゆう
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2017/04/20
- メディア: 文庫
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彼のことは秘密にしていたが、大学の後輩に知られてしまい。
うる波と鹿野くんの出会う人々との話を四編収録。
さすが凪良さん。
元々はBL書きではありますが、それだけでは済まない力量です。
木原さんや榎本さんにつぐ作家さんだと思います。
救済の話だと帯などに書かれてますが、わたしはそうだとは思いません。
世界の決めた常識という「正しさ」とは外れてしまった人々の選択。
それはそれぞれがきめることで、うる波と鹿野くんがその人々にかかわってはいるけど、道を示した訳でもなく。
ただ淡々と、そしてうる波は鹿野くんとずっと暮らしていくことがただの幸せなんだと言ってるだけ。
自分の幸せと他人の幸せは交わらない。
なにも救済とは思えない。
あとがきも何もないので、編集さんがつけたキャッチなのかはわかりませんが。
話はとても沁みます。