ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.295 鬼はここに居る…私欲から鬼になるのと愛ゆえに鬼になるのと。人間のほうが鬼より恐ろしい

鬼はここに居る (プラチナ文庫)

鬼はここに居る (プラチナ文庫)

藩主の子なれど庶子であり狐の子とまでいわれるほど幼い頃から周囲を惑わせる美しさを持つ月千代。世にだしてはならないと日陰者として育った彼の側使いとして働く雛丸は、ある日月千代が彼に懸想した若者たちに襲われているのを見て怒りを覚え許せないとばかりに剣を抜くが役にたたず、逆に月千代に守られるように。気付くと辺りは血の海。月千代様の手を汚してしまったと呆然となる。
しかも殺したのは藩でも重臣の息子。
月千代は雛丸に共に逃げようと誘い、まんまと江戸まで出て、郭の主にまでおさまる。
雛丸は月千代に身体ごととろけされ部屋から出ることもままならないが、大事にそれているのが嬉しい。だが一年ほどたち江戸の町に息抜きに出て雛丸は兄達に見つかってしまう。
雛丸を取り戻しに来た月千代を兄達が処罰しようとした時、また怒りで雛丸は我を忘れ。



またまた過去の先祖からの因縁・呪いです。
鬼退治をした祖先を持つ家に度々呪われた子が出て、普段は可愛く純粋なのに一度感情的に爆発すると、鬼になってしまう。そーですね、雛丸が惨殺事件の犯人です。
月千代はそれを知ってなお雛丸を可愛いがるわけです。
雛丸のにーちゃんも雛丸溺愛というか、呪いに巻き込まれる運命なんで。
そこはどういう因縁なのかは読んで貰わないとですが。
愛憎入り乱れてますね。
ドロドロですが、いいです!
鬼ちゃんがいちばん可哀想かなー。
人間のほうが恐ろしいですね。
月千代さんはわりと自由にやってきたので、あまり同情はしないです。