ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.310 サラリーマンはおやつに入りますか?…遊び人の初恋と夢見るDTの初恋どっちが重い

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

地方出身の美里はクールビューティーな見かけに反して、純情乙女で心にピンクの宝箱を持っている。上京してもひたすら真面目に働き怖くて冒険もできないでこのままDTで一生をおえるかと思い、それは寂しいと、ネットで探したバーにそれも随分悩んでから足を運んだ。そしてバーで見かけた習志野という男に恋をする。習志野は美里のモロタイプで、恋人になれるとは思ってないが、姿見たさにバーに通う。
半年が過ぎたある日、美里の住むアパートの上の階から火が出て、部屋は全滅、途方に暮れてバーに行くと何と習志野が自分の部屋に泊めてくれるという。
美里は踊りたいくらい大喜びだが顔には出さず、また遊び人の習志野にDTで恋愛初心者だとバレて重く思われるのも嫌で、つい虚勢を張り、自分も遊び人だという振りをする。
そして泊める家賃代わりに習志野は抱かせろと言ってきて。

当人たちにとっては真剣なやり取りなんですけど、傍観者的な読者は色々突っ込みたくなる。
面白いです。
特に美里の心情を表す宝箱が開いたりして、中から天使たちがラッパ吹きながら現れたり、落ち込むと天使が撤退したり、浮上すると慌てて出てきたり、小皿叩いて宴会してたり、やさぐれてヤンキー座りで煙草ふかしてたりと、想像すると可笑しいし、美里の気持ちが手に取るようにわかるので、読みどころです。
習志野は個人的にはふざけんなと言いたい。
美里が遊び人を装っているとはいえ、家賃代わりにいきなり押し倒すとは何事か。
美里を好きなら、もう俺だけしか見るなぐらい言ってやれ。
情けないぞー。
もう割れ鍋に綴じ蓋ですな。この2人。