今日の一作vol.313 ずっとここできみと…幼なじみの青春ラブ。変わらない想いって何だか羨ましい
- 作者: 月村奎
- 出版社/メーカー: 新書館
- 発売日: 2018/01/18
- メディア: Kindle版
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イケメンで秀才の征矢は理玖をかまい倒すが、それも大学進学までのこと、征矢の成績なら東京へ出るのだろうと思い、理玖はもう一緒にいられるのは今だけと、甘えさせてもらっていた。
しかし征矢は理玖と同じ地元の大学へ行くつもりだと聞き、嬉しい反面征矢の為にはならないと距離をおく。
途端に寂しさがつのり、こんな気持ちは変だ、友達への気持ちじゃなく恋愛なのだと自覚し、征矢といた女の子に嫉妬して本音を零してしまうが。
お互いに好き同士の幼なじみ。
お互いに相手のことを想って、告白したら友達にすら戻れないかもと我慢したり。
ずっと一緒にいたいから。
それが2人にとっては一番なのです。
むしろ征矢のほうが理玖を好きで好きで、家族にも理玖に対して犯罪を犯してしまうんじゃとアヤシマレルほど理玖一辺倒。
今流行りのハリネズミの理玖を、かまい倒して自分だけにお腹みせてもらうようにあの手この手で仕向けている征矢という図が浮かんできます。
そんなにアップダウンのある話ではないですが、じわじわとくる2人の一生懸命な姿が微笑ましいし、理玖のずっとこのままでいたいという意味の中に、理玖とずっといたいというのはもちろん、高校生時代の終わり・学校や友達と大したことでなくても笑ったりぼうっとしたりする日常のままでいたいというのが、ぐっときました。
両親が突然いなくなるという事態になった理玖だからこそ、変わってほしくない時間・場所・関係性。
ずっとここできみと、というタイトルはまさに理玖と征矢の気持ちそのものですね。
わりと征矢が天然の腹黒なんで、いい味だしてる。征矢目線の話も読みたいな。