今日の一作vol.324 僕の中の声を殺して…ウィルスから人間まで寂しさには勝てないのか
- 作者: 渡海奈穂
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/12/19
- メディア: 文庫
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そこへやってきたのは市役所職員の幟屋。まだ極秘だが、人に寄生して丸ごと乗っ取る謎の生命体が出現し、感染した人は死んでしまうという。
そこで生物の声が聞こえるという宮澤にその捕獲もしくは治療に役立つよう協力を求めてきた。
しかし誰も宮澤の話など聞かなかったくせに今更と拒絶し続けてきたが、幟屋の熱意と細やかな気配りに宮澤は絆され、協力していく。すると今まで聞こえてきたものは生物の感情で、それらをなるべく聞かないように制御することもできるようになってきた。そこまでには幟屋がいてくれるからという安心があり、無意識に宮澤は幟屋に依存していく。幟屋が仕事のことを後輩と話しているだけで嫉妬するように。そして幟屋も肉親をすべて亡くし、仕事に没頭することで自分を保っていたが誰にも心を開かなかった宮澤が自分を頼ることに満足を覚え宮澤を愛しく思うようになり。
結局謎の生命体は謎なんですねー。
好き嫌いが分かれる話です。
私は、読み始めはダメかなと思ったけど、読み進めると味わいがありました。
宮澤のツンデレが可愛い。
幟屋もそれにやられてますな。
謎の生命体「ハイノリ」はそのうち自分達の体を作ってもらってそちらにどうぞという形になるのでは?
まあそこはどうでもいいけど、無闇に人を否定してはダメですね。
まず受け入れて話しあうことから始めよう。