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今日の一作vol.331 不機嫌なシンデレラ…人生観を変えるものに出会える幸運

不機嫌なシンデレラ (ショコラ文庫)

不機嫌なシンデレラ (ショコラ文庫)

ハイブランド「Roger Randolph」の社員でエリアマネージャーをしている安西は、以前は専属モデルも勤めていた。
そんな安西が新卒採用の面接で出合った青年・佐山はアパレル希望とは思えないほど垢抜けない根暗な男だったが、ロジャーに対する熱意は感じ、興味を引かれた安西は、自分が引き取るからと採用した。
佐山は研修先では服装も見た目もダサく接客もままならず、在庫管理ばかりさせられていた。
安西は自分が採用したこともあり、取りあえず佐山の見た目を変え、頑なな中身も変えようと構う。すると佐山は、あんたに好かれるにはどうしたらいい?と真っ直ぐぶつかってきて。

シンデレラの要素が二重三重にもりこまれてます。
佐山が安西によって変身していくこと。佐山がロジャーに惹かれてしまった幻の靴。安西が分身とも感じた無くなった靴。
その絡み合いは面白かった。
でも、佐山の頑なさはなんか腹たつくらいです。
アパレルなんだから、自分で外見気にしろよ。
上司を呼び捨てにするなよ。
いきなり告白とかありえない。
モデル時代からのファンだって、そこはかとなく書いてあればまだしも、どこに安西に恋してると分かる場面が?
なんか、無理矢理ラブにもっていかれて、無理矢理ロジャーへの愛を安西と佐山に見せられて、そ、そうなんだ、と思いつつ話が進むので、面白いけど浸りきれないものが、多々ありました。
うまいまとめ方なんですが、佐山の母親との確執とかあるのわかるし最後のほうは必死な佐山が可愛いともおもえましたが、いくら安西が受け入れているとはいえ、なんか違うと思ってしまいました。
私の好みの受ではないのねー。

安西の王子様ぶりはすごいですね。
でも安西に対する蓮谷の言動も有り得ないし安西の対応も流され過ぎ。
その執着のなさが佐山に初めてみせた執着を強調したのだろうけど。

面白いけど、登場人物たちにまったく同調できないのが、なんかなー、と。