今日の一作vol.334 セキュリティ・ブランケット…毛布から抜け出して一歩踏み出して。
- 作者: 凪良ゆう
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/12/19
- メディア: 文庫
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- 作者: 凪良ゆう
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/01/27
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のどかな田舎町で暮らす二人。
かなえはガサツな中身とは反対な美人で、心の底では幼なじみで近所のカフェを営む高砂を想ってはいたが、高砂はストレート。親友の関係を壊したくないと秘め、仕事でもパートナーの万座と永らく身体の関係を続けていた。そこへわってはいったのは、宮の友人の国生。
若さ故か押し倒されて国生とも関係を持つ。でも何を置いても宮を一番大事にしていた。
その宮は育ててくれた恩もあり、かなえの為ならなんでもしようと思っていた。
でもこの頃高砂のことが気になり始めていた。
そんなとき、かなえのストーカーのような存在、大陶芸家の孫娘の花房がかなえの留守時に、宮にかなえが自分と結婚してくれないのは宮がいるからだと、宮を刺してしまう。
そんなときでも宮はかなえの為にと公にせず、高砂を頼った。
健気な宮に高砂も心を動かされるが。
上下を通して読みましょう!!
皆が皆互いを思いやって、それぞれの立場や心の変化がすごくよくよくわかる。
登場人物多すぎてそれぞれのことについて語っていたら終わらないので、とにかく読んでもらうしかないでしょう。
タイトルのセキュリティ・ブランケット。
ライナスの毛布のような。
子供は必ず寝るときや安心するモノがありますよねー。
うちの子たちは、毛布やガーゼの肌掛けや羊の抱き枕。
もう無くても大丈夫。手放すということは大人になったのか。
凪良さんがあとがきでも書いてましたが、宮くんが毛布から抜けだして、愛する人達のもとへ自分から近づいていけるようになった、と。
大きな意味で、今後は高砂さんが宮の毛布のように安心を与えてほしいです。
苦労したいい子にはみんな優しくしたいんですよ。
もう親バカ気分ですね。かなえともども。
かなえにもこれからどんどん大きくしっかり成長する国生という毛布がいるもんね。いまは穴がいくつか開いてるけどねー(笑)