今日の一作vol.338 夜見師…死して尚苦しみは続くのか
- 作者: 中村ふみ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/01/25
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- 作者: 中村ふみ
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/07/25
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ある日輝はある家に住み込みでの家政夫を頼まれる。給料は破格の値。二つ返事で行ってみると、その家にいたのは、車椅子がまるで玉座に見えるような威厳のある色男。多々良克彦という彼の世話と家の掃除、そして本殿でのあることのために多々良のアシストをすることが主な仕事だった。
そしてそのあることとは、本殿に封じられた多数の祟り神を始末する夜見師・多々良のアシスト。
祟り神一体ずつに相対しそのサワリをうけるため、霊的に対応力があることが求められる。
破格の給料なのも頷ける消耗にも輝はメゲず家事と夜見師のアシストをするが、輝にかけられている呪いの元にも関わる祟り神を始末することになり。
ぐいぐい引き込まれます。
ホラー文庫ですから、霊的な話ばかりです。でも怖いというよりも、怨霊になってしまった人間の悲しみや憎しみなど、むしろ人間的な切なさを感じます。
そして祓い屋とも陰陽師とかとも違う新しい夜見師というスタンス。すごい!
まだまだ祟り神を封じた箱はあり、どんどん始末していかないと、実は死んでるゾンビな多々良さんは体が壊れてしまう前になんとかしないと、祟り神が
残ってしまうと大変なことになるので、焦ってます。
始めは輝と一線引いて対していたけど、呪いも解け、祟り神に情を持ってしまう輝を遠ざけようとします。
が、輝も望んだ訳でもないのに夜見師になってしまった多々良は恩人であり、自分にしかできないアシストを輝を犠牲にしてしまうのではと遠ざけてくれる多々良の俺様ながらの優しさをもっている人で、そんな彼に居場所を見いだした訳です。
そんな2人の意志疎通の無さの、でもなんでかわかっちゃうとこが好きですねー
なんか御手洗と石岡くんの関係に似ている。
相棒(見た目美青年多々良さんは実年齢かなり年なので相棒扱いは嫌がりそう(笑))の地位を確保してどや顔の輝は何だか可愛いです。
まだまだ続くでしょうけど、全て始末できて最後多々良さんがいなくなるだろう展開は想像つくけど、しっかり中村先生は期待通りに書いてくれるでしょう。
何年後に読めるのか、今からドキドキします。
早く続きが読みたいです。