今日の一作vol.353 ケモミミ彼氏~ただし神様~┅神様の恋は深くて恒久
唯一の肉親だった姉が亡くなり大学生ながらも姪の美紅をひきとった槙。一応保険金などがあって生活は大丈夫かと思っていたら、住んでいたアパートは子ども禁止。有無を言わさずに追い出されてしまった。保証人が見つからずに部屋が借りられないと途方に暮れていたところに現れた不思議な少年スクナ。
姉夫婦に以前助けられた恩返しをしたいという。槙は見てしまった。スクナのケモミミを。きっとスクナは妖怪の類い。でも一族の総領だというし、あれよという間に住む家も美紅の幼稚園の保証人やらも用意してくれた。槙は妖怪でもなんでも、美紅を要らないという非情な祖父母たちよりも信頼できて頼れると心を寄せる。
またスクナも真っ直ぐに感情をみせて頼ってくれる槙を愛しく思う。
スクナは妖怪でもなく、土地神として祀られるヨナユイの総領。本来なら人間と深く係わるべきではないのだが。
神様と人間の恋物語。
槙の度量の深さとスクナのストレートな愛情が、コミカルに書かれていて、楽しかった。
書く人によってはすごく暗澹たる話なんですけどね。
欲をいえば、酷いジジババがどうなったのか、美紅が槙とスクナの関係にどう思うのか、知りたいですねー
花川戸さんの話は可愛らしいので好きです。
ふわふわした印象。
神社の狛犬さんが、槙とスクナがラブラブしてるのを、こほんと咳払いして居ますアピールしてるのが可愛い。
ストラップにされて槙を警護してる五佐も可愛い。
そんなちょっとした一文が良いです。