ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol. 356 心を半分残したままでいる┅何度でも好きになる

 

心を半分残したままでいる(1) (ディアプラス文庫)

心を半分残したままでいる(1) (ディアプラス文庫)

 
心を半分残したままでいる(2) (ディアプラス文庫)

心を半分残したままでいる(2) (ディアプラス文庫)

 

 

心を半分残したままでいる(3) (ディアプラス文庫)

心を半分残したままでいる(3) (ディアプラス文庫)

 

静良井は記憶障害をおこしやすく、日々の日記が頼り。それもここ数年分しかなく、過去がまるでわからない。それでも好みは変わらないらしく、趣味のカフェ巡りから、立ち寄った高台の喫茶『カナリー』のオリジナルブレンドが好みで、足しげく通う。マスターはまだ若く男前なのに無愛想な中上衛という。ある日些細なことから中上と親しくなり、静良井の事情を打ち明けると、日記にある恋人Mを共に探すことに。

中上と共に日記に書かれている場所を巡るうちに、静良井は中上を好きになる。そういえば中上もMである。ひっかかりを覚えつつも、過去より今を大切にしたいと、中上と愛し合う。

そして仕事のためにと別れて帰る途中歩道橋で足を滑らせ、また記憶をなくしてしまい、いつも首にかけていたUSB は中上の所に置き忘れていてまっさら。捜索願いがだされていたらしくMかもしれない久遠の元へ引き取られ、また新たな記憶を上書きしていくことに。

それでもまた『カナリー』を見つけ通い出すが、中上は何も言わす静良井を迎える。

 

結論からいえば、人の好みは変わらないということでしょうか。

すべて知ってる中上。でも過去を話して聞かせても思い出すこともなく、思い出せないことで傷つけるだけだとしってるから、今が幸せならと見守るだけの中上。

日記のMが自分のことだとは知らなかった(静良井が日記をつけていたこともしらなかった)から、てっきり久遠のことだろうとM探しを一緒にしてたわけだけど、久遠は久遠で、学生時代からの日記の都合のわるいところは隠して自分がMだと見せかけていた。

静良井は久遠も好きには違いなかったが、それでも、恋するのは中上だけ。

過去の手掛かりを久遠に教えてもらい、探しあて、自分が誰なのかを知り、中上が誰なのかを知り、やはり中上がMだとわかり、今現在を共に生きようと決意する。

まあずっと静良井を好きでいてくれた中上も凄いけど、それもまた中上の家庭環境からの静良井への愛なので、運命の恋人同士といえますね。

3巻まとめて読もうと思って、全部そろうまで我慢しました。一気に読むことオススメします。

記憶障害の話は後味の良いものにしてほしいです。この話は80点くらい。静良井が受け入れすぎというか、記憶障害に慣れすぎというか、もう少し苦悩面を書いてあると同調できたのかな。興味深い話だけど、主人公たちに、ああ良かったね、とラストで心からは言ってあげられなかったので。

ベテランの砂原さんなら、と期待が大きかったのもありますか。

読後感は良かったですよ。ホンと。