今日の一作vol. 361 緑土なす┅神の理と愛とが成せる
ラセイヌ国の最後の今世王レシェイヌ。大地を豊かにする力を持つ一族。王族しか愛せないこの一族は近親婚により数をへらし、王族しかかからない病に倒れ、レシェイヌのみとなり、その孤独に国土も陰りをみせていた。レシェイヌは自分亡きあとは大臣らに任せられるよう準備し始めるが、そんな折り、先代の王の庶子が三十年以上前に行方不明になり、生死も定かではないと教えられる。
当時も探したが、一縷の望みをかけて国中に捜索の手をのばしてはと言われて、さほど期待もせずに、三十代後半の男子は王宮に上がり、レシェイヌと謁見するようにと御触れをだした。
国中の男子が順に王宮にあがることとなり、山奥で暮らしていた足弱も行くことに。
足弱は山奥で老人と暮らしていたが、老人が亡くなってからは1人で薬草を売ったりなどしていた。右足が曲がっていたので足弱と言われて育ち、他の縁者などはいないと思っていた。
長い旅の末、やっと着いた王宮で王に謁見をすると、王が足弱に興味を示す。
そして次の日には帰るはずが、足弱は呼びとめられ王のもとへ。
足弱は王レシェイヌの兄庶子ラフォスエヌなのだという。
急なことに怯えるだけの足弱にレシェイヌは兄上と呼び独りで淋しかったと慕ってくる。
そして少しずつ慣れたかと思うころ、一族を愛する思いを押さえきれずにレシェイヌは足弱を襲ってしまう。
倫理に反することと教えられてきた足弱にはレシェイヌの愛情は恐怖でしかないが、王族を守ってきた一族·灰色狼たちの諭しや懇願に、またレシェイヌの孤独と愛情に次第に心を開いていく。
二巻続けて読まないとなりません。
只々足弱が可哀想で。
だからレシェイヌにも狼たちにも愛されてください!
いいんですよ、もっと欲深くて!
と読みながら声援を送ってしまうんです!
神の域の力があるのだから、多分望めば子どももできるでしょうね。
でもその後子どももまた独りになったらと思うと、産めない気もする。
いやいや、まだ二人は新婚さんだし、愛し合う度に奇跡がおきて、大地が緑豊かになるのだから、この国の緑の息吹き全てが子どもたちのようなものだよね。
なんだかんだ揉めますが、まとまります。
その辺は読んで欲しい展開です。
一年経ってやっと手にいれました。
ずーっと読みたいなあーと気になっていた話なので、満足いく話、終わり方でよかったです。
やおいで終わったらどうしようと。
(やおい、というのは山なし落ちなし意味なしということで、BLのなかでただやってるだけの話です。近頃使い方間違えてる方多いです)
設定しっかりしてるし、場面転換してレシェイヌ側からや足弱側からなど無理なくよく分かる話運びで、上手いです。
新作がでたら読みたいです!