ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol. 366 覇狼王の后┅立場や外見より心根を愛されていることこそが一番欲しいこと

 

覇狼王の后 上 (プラチナ文庫)

覇狼王の后 上 (プラチナ文庫)

 
覇狼王の后 下 (プラチナ文庫)

覇狼王の后 下 (プラチナ文庫)

 

 

両性具有であることで、幼い頃母親に化け物と疎まれて地方の神殿に預けられたアリーシェ。自分は醜い化け物なのだからと思い込み、せめて養育してくれた神官ニコラウスと共に神官として民の為に奉仕していた。

アリーシェのいる国ソルグランツは隣国アヴェルナに侵略され、地方は無法地帯になっていた。アヴェルナ兵や賊による略奪が横行し、流民が神殿へと助けを求めてくる。

ある日アリーシェは一人の傭兵が倒れているのを見つけ介抱する。彼ヴォルフはこの国では魔と恐れられる紫の瞳をしていた。だがアリーシェは分け隔てなくヴォルフを扱い、ヴォルフはそんなアリーシェを女神のような美しさと共に愛するように。

やがて回復したヴォルフはアヴェルナ兵に襲われていた神殿からアリーシェたちを助け、アリーシェに自分の后になれと連れていく。なんと彼は今は傀儡の国王リヒャルトの兄王子だったのだ。そのままアリーシェはヴォルフに体を開かれ、両性であることさえも愛しいと執愛する。

ヴォルフはアリーシェだけいればいいというが、王子であり、傭兵として名をしられている彼に、アヴェルナ軍と戦う解放軍の指揮をとって祖国奪還してほしいとちりぢりになっていた残兵や地方領主たちから求められる。

ヴォルフはアリーシェの為に国を獲ることを決めて挙兵するが。

 

宮緒さんの粘着度高い執着愛はもちろん基本なんですが、布石がすごくきいていて、上下だけなのに5冊くらい読んだような満足感です。アリーシェの母親からの虐待による自分の体への忌避。ヴォルフの悪魔と怯えられ、自分の力しか信じない生き方をアリーシェに覆され、アリーシェを猛愛することへの心情。部下の思惑、敵王子の立場。すべてが絡まりあって面白いです。

エッチは18禁なみのなのですが、それ以外は普通にファンタジー作品でもよいかと。

一つ残念なのは、アヴェルナからの執政官のメルヒオール王子。アリーシェを好きになったのもわかるし、ヴォルフの后だとわかったから対応を考えるのもわかるのだけど、人質にするこたもせず、アリーシェをほっといて、逃げ出したらまたもたばかったのか、とかよくその辺がどういう思考からそういうことになったのかが、ちゃんとした言葉でかかれてなかったので、惜しいです。

 

ラストのまとめは、ニヤニヤしてしまいました。

ラブラブですな。