ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol. 376 天色の瞳は千年恋を抱く┅時を翔る少年いにしえ版

 

天色の瞳は千年の恋を抱く (幻冬舎ルチル文庫)

天色の瞳は千年の恋を抱く (幻冬舎ルチル文庫)

 

青い目の孤児、葵は人柱として山神の住む山へ捨てられたが、そこにいたのは半妖のシンという端正な男だった。シンは千年前に呪術師として妖を祓おうとし、その結果呪い返しを受けてしまい、徐々に呪いの痣が広がり心臓に達したら時に消滅するという。

今はもう目も見えなくなり記憶も定かではないが葵を厭うことなく、助けてくれた。

妖も多く危険だからと葵にこの地を立ち去るようにいうが、どこにも行く宛のない葵はそのままシンが以前住んでいた小屋で暮らすように。

野草を取り魚をとり、薬草で薬を作ることをシンに教わり暮らすこと三年。シンの作り出したヨキという妖に時廻りの鏡という時間を行き来できる鏡のことを聞き、葵は千年前に行きシンか呪いを受けるのを止めたいと、鏡のある山の洞窟へいく。満月の夜に効力があるとヨキに聞いたのにそれは嘘で朔のその日、鏡に引き込まれ、千年前のシンと出会う。シンとともに各地を廻り、呪いを受ける妖にたどり着くが。

 

話の進め方が上手いです。ついつい読んでしまい、あっという間に終わる、かと思うと展開していって読みごたえもありました。

ただ千年はちょっと言い過ぎなんじゃ。

情景や時代を想像するに平安よりやや前からだとしてそこから千年で江戸時代くらい?

それはどうでしょう。色々通じないことがあるんじゃないかと。

真剣に想像しすぎでしょうか?

 

シンの元々の人間性は変わりなく、だからこそ葵はシンを苦しませたくない。

でも前のシンを救うと、最初に出会ったシンは居ないことになる。ジレンマ。

でも千年の苦しみがなかったことになるなら、半妖のシンに会えなくても。

二人の気持ちの通いあいは自然でよかった。

SF風味のBL としては完璧ですが、折角力量があるのですからもうちょい細かく設定を肉付けしてほしかったかな。

妖についてもイメージしにくい。

半妖のシンももう少し出番が欲しかった。

面白かったですけど。ね。