ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.390 ラブセメタリー…神は何故このような性癖を与えたのか

 

ラブセメタリー

ラブセメタリー

  • 作者:木原 音瀬
  • 発売日: 2017/08/25
  • メディア: 単行本
 

小編からなる。

精神科で勤める看護師はゲイであるが、院長も認知したうえで働いていた。ある日かなりタイプのサラリーマンが診察にやってきた。

だが診察の内容が、犯罪を犯さないよう性欲を押さえてほしいとのこと。彼は小児性愛者だった。幾ばくか過ぎたあと、道端で酔って寝ていた彼を介抱する。その後何回か合ううちに欲がでて、彼と付き合えるのでは、自分と付き合えば小児性愛など忘れるのではと。

だが看護師であるとばれて軽蔑され、ゲイの友人になぐさめられる。

 

その友人はルポライターで、以前ホームレスの老人を取材していた。老人は元小学校教師で、良い先生の裏の顔は生徒に悪戯を繰り返す男だった。

サラリーマンの男の甥は編集の仕事のために、そのルポの内容を教えて欲しいと連絡。

話を聞き、その老人の知り合いにも会い、甥は悩む。その性癖さえなければ良い人なのだ。叔父に子供としたいか?と聞いてみて、激しく動揺する叔父に、初めて自分の叔父に対しての認識を改める。

幼いころの甥をあいしていた彼は、知られたことに、甥との関係を疎遠にする。

それでも性癖は変えられず、新たに愛情を注ぐ対象をみつけるのだった。

 

あらすじは上手くまとめられなかったのですが、こんな話が何篇かありますと参考にしてください。

重いです。

小児性愛は難しいですね。

実際に行為はしてはいけない。でも、子どもしか愛せないのならどうしたらいいのか。

子どもは成長する。成長してしまえば、愛は薄れてしまう。

子どもも愛してくれたとしても、成長して愛してもらえなくなったら、子ども時代の想いそのものを失うのと同じ。その後の人格形成に支障がありますよね。

これは小説ですが、実際に苦しんでいる人も多くいるでしょう。

一辺倒な感想しかいえませんが、簡単に犯罪行為へと走る人もいれば、苦しんで苦しんで耐えている人もいるだろうと。

理解はするけど容認はできない。

考えさせられる話でした。