ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.329 ハロー、マイアリス…縁があればまた会える。脈があれば押して押して押しまくれ!

ハロー、マイアリス (ショコラ文庫)

ハロー、マイアリス (ショコラ文庫)

大学生の有泉真聡はある日通りすがりのサラリーマンに、アリスさんと呼びかけられ告白される。邑上零という全く覚えのない相手に真聡は逃げ帰ってしまう。
その後日、山歩きに出た真聡は途中偶然立ち寄った神社で喋る白兎を見かけ、導かれるように跡をつけた。そして辿り着いたのはおそらく14年前の世界。
携帯も通じずお金も小銭くらいしか使えない。自分の家に帰るわけにもいかず途方に暮れていたところを救ってくれたのは、告白してきたサラリーマン邑上の面影のある高校生だった。
元の世界に帰れるまでと、真聡は邑上家にお世話になる。
邑上家は零と義姉の実花子とその子どもの善の3人。複雑な関係のなか、真聡は偽名をアリスと名乗り家事などできることをする。そして段々と零の人となりに触れ、その生真面目さ優しさかたくなな弱さに心惹かれていた。
好きになったのは自分のほうだったのだと知り、14年後再び会えると信じて覚えていてほしくて帰る最後の日に身体を繋げ。


不思議の国のアリスです。
土台にそれがあるのはわかりますが、あまり気にせずさらっと読めました。
白兎の不思議さも無理矢理出てきたわけでもなく、過去と現在のつながりも分かり易く、自然な流れで面白かったです。

真聡のお父さんの、脈があるなら押して押して押しまくれ!が真聡にいい感じに浸透しててよいですし、二人が再会して恋人同士になったあと、真聡が態度も変わらず年上になる零にも普通に対応してて、逆に零のほうが真聡に対して礼を尽くしてる感じが面白いというか。

まあ14年は長いけど、必要な隔たりだったのかと、これから大いにイチャイチャしてくれ。

今日の一作vol.328 千年恋空~ずっと好きな君へ…千年転生を続けるのも、それを待って出逢えてまた別れるのも辛い。

落ちこぼれの雷神・天は羊雲妖獣を眷属として、丁寧に雲を編み空を作る。
荒っぽい他の雷神や、召喚された先の人間たちにも馬鹿にされて落ち込むけど、力はない分綺麗な空を作ることを心掛けていた。
ある日天が召喚され、そこにいた頼久という天文博士は俺様な性格ながらも天を信じて、雨を降らすための雲を作るのに時間がかかるのに見守ってくれ、天の空を綺麗だと誉めてくれた。
共にいた二日間はとても楽しくずっと一緒に居たいなと思っていたら、なぜかともに旅をすることに。そして時がたち、頼久は寿命を迎えるが、一人になってしまう天に、生まれかわってまた会いにくると約束する。
その後百年ごとくらいに頼久は生まれ変わり、天に会うが、頼久のころの前世の記憶はなく、天はそのたびに苦しく思うが、会いにきてくれたことを喜び、そしてまた次の転生を待っていた。
そして千年。頼久の何回目かの生まれ変わりが料理人となり、店を開いた。虹色食堂には妖も常連客。そして生まれ変わりの仙助が養子としてやってきた。
今までは大人となった頃に天は出会ったが、今回は5歳児。天はいっぱい面倒みてやろうと思うが、仙助は男前で逆に天のほうが面倒みられたり。やはり記憶はないものの、二人はお互いに好きで仕方なくて。

手芸で空を作ったり、ドジで泣き虫な雷神なんてファンシーな始まりだったのに、段々と命のあり方や人間や自然に対する批判らしきものも折り込まれ、かなり深い話だと思います。
天は頼久の生まれ変わりを延々見続け覚えられてないけど、それでも死に際にはいつもまた会いにくるという彼を待ち続けた。でも辛いわけないよねー。
そして仙助は自分が生まれ変わりだと言われても関係ない。とは言いつつ、徐々に記憶を取り戻していき、そして自分の成すべきことを見つけるわけで、それはそれは二人の気持ちの動きが事細かに書かれて、ややクドいとは思いましたが、よーく分かる。
ラスト千年の意味がわかるわけですが、ちょいご都合主義で終わったかな。
面白かったけど、似たような話を他の作家さんで読んだけど、そちらはお色気と切迫感がすごかったので、勢いで納得したおわりでした。
もう少し天と仙助の情熱というか、情動という生々しさが欲しかったかな。
ファンシーさがぬけないので、なんかなって。

今日の一作vol.327 ハイスペックな彼の矜持と恋…つまりは恋をしたら矜持も何も越えて相手を喜ばせたくなる

ハイスペックな彼の矜持と恋 (二見書房 シャレード文庫)

ハイスペックな彼の矜持と恋 (二見書房 シャレード文庫)

二丁目界隈で、初めてはマキくんで、と指名されるほど、紳士的なタチである槇は、三十路を前に自分の嗜好に疑問を抱く。そして一度誰かに抱かれて、完璧なタチという自分を壊してほしいと思い、普段踏み入れない大人なバーへ足を向ける。そこで会ったタカシという超肉食なエリートビジネスマンにお試しで抱かれることに。それは槇の想像を超えた悦楽で、これからはそんな自分を認めたうえで、もうタカシとは会わず、彼以上の男も現れないだろうから、セックスもしないという結論に至り、仕事に生きようと思った。
だが、新しくやってきたプロジェクトチームのリーダーがタカシで、リサーチャーの槇にチームに協力してほしいと誘ってくる。
なし崩しに身体の関係も続き、このままでいいのかと不安に思うが。


タチでやってきたのにネコになるというのは、やはり大変なショックなんだろうなあ。
男として、タカシに負けられないという気持ちもあるし、でもタカシを尊敬もするし、共に仕事をしていくことで、お互いを高め合えるという、パートナーとして最高なんだけど、認められない。そのへんのジレンマとかが面白くエッチも濃ゆくてよろしかった。
タカシとしても初めて見たときから好みど真ん中で、エッチも相性バッチリ。
ツンデレなところも、仕事も最高にできる槇を逃すものかと絡んでくるのが、必死だなあと(笑)。
もっと番外編が読みたい二人です。

今日の一作vol.326 人形遊びのお時間…出逢うべくして出逢った

人形遊びのお時間 (キャラ文庫)

人形遊びのお時間 (キャラ文庫)

近未来。
ある日、天才人形師の友人から突然等身大の美少女人形を送りつけられた、作家のガブリエル。
その人形は亡き姉に似ていて、忠実に言うことを聞いてくれる。
インスピレーションを刺激され、その人形、ミレーヌをモデルにカメラを向け創作に没頭していると、撮影時に雨に濡れたミレーヌは倒れてしまう。なんとミレーヌは生身の少年で、何故人形になっていたのかは記憶にないという。
ガブリエルはミレーヌをミロと呼び、勉強をさせ、社会に復帰できるようにしてやろうとするが、ミロに心も身体も預けられ、保護者として受け止めればいいのか一人の男として奪っていいのか悩む。
ミロは人間として認めてくれたガブリエルを愛すが、そこへミロの素性を知るという人物が現れて。


時間を超えて出会った2人。
良かった!面白かった。
時は三次大戦後のお話。
なので人形といってもアンドロイドのようなもので、自由に動いても驚かないので、初めはミロを人形だと思ってしまうんですねー。
ガブリエル自身のほうが人形のように美形だということで、ミロのほうが本当は人間ですと言いだしそこねて、始めは人形遊びのような時間が。
でもま、ミロが割にドンドン押していくので、ガブリエルも躊躇してた部分も押されて受け入れられてよかった。
ミロが人形のように主張しない性格だと、平行線だった。
ミロの出自は読んで下さい。
偶然、奇跡的というしかないルートで生き返ったといいますか。
信じるも信じないも貴方次第というフレーズが聞こえてきそうです。

今日の一作vol.325 後宮秘夜~覇帝と双花の寵妃~…セオリー通りの捕らわれた身代わり皇子の行く末。でも華がある話。

後宮秘夜?覇帝と双花の寵妃? (ガッシュ文庫)

後宮秘夜?覇帝と双花の寵妃? (ガッシュ文庫)

華国の皇子・李雪霞は秘密を抱えていた。それは両性具有であることと、次期女帝になるはずの亡き姉の身代わりを務めていること。そんな折華国は隣国の燿の大軍に侵略されてしまう。燿国の屈辱的な扱いに屈しないために華国の者達は自死を選び、一人逃がされた雪霞だったが燿国の皇帝・劉貴奬に捕らえられ、妃として後宮へと入れられる。男だと知られれば殺されるのか。夜伽を命じられ、覚悟を決めた雪霞だが。


王道も王道。
話の先が見えているので、安心して、むしろどう二人が惹かれ合っていくのかを追っていけて良かった。
このところ読んでいるのが中華風ばかりなので、服装や宮廷内とかがイメージし易くて、スイスイ読めたのもあるのか、身体で落とされていくのもなかなかに味わいありました(笑)
思っていたよりエッチ度が高かったといいますか。
やはり変にひねったものよりいいですね。
王道をいかに面白く読ませてくれるか、それが作家さんの力量ですよね。
いやーよかった。

今日の一作vol.324 僕の中の声を殺して…ウィルスから人間まで寂しさには勝てないのか

僕の中の声を殺して (キャラ文庫)

僕の中の声を殺して (キャラ文庫)

生まれた時から生物の声が聞こえてきた宮澤。親にも誰にも信じてもらえず虚言癖を疑われ13年間一歩も外へ出ずに引きこもっていた。
そこへやってきたのは市役所職員の幟屋。まだ極秘だが、人に寄生して丸ごと乗っ取る謎の生命体が出現し、感染した人は死んでしまうという。
そこで生物の声が聞こえるという宮澤にその捕獲もしくは治療に役立つよう協力を求めてきた。
しかし誰も宮澤の話など聞かなかったくせに今更と拒絶し続けてきたが、幟屋の熱意と細やかな気配りに宮澤は絆され、協力していく。すると今まで聞こえてきたものは生物の感情で、それらをなるべく聞かないように制御することもできるようになってきた。そこまでには幟屋がいてくれるからという安心があり、無意識に宮澤は幟屋に依存していく。幟屋が仕事のことを後輩と話しているだけで嫉妬するように。そして幟屋も肉親をすべて亡くし、仕事に没頭することで自分を保っていたが誰にも心を開かなかった宮澤が自分を頼ることに満足を覚え宮澤を愛しく思うようになり。

結局謎の生命体は謎なんですねー。
好き嫌いが分かれる話です。
私は、読み始めはダメかなと思ったけど、読み進めると味わいがありました。
宮澤のツンデレが可愛い。
幟屋もそれにやられてますな。
謎の生命体「ハイノリ」はそのうち自分達の体を作ってもらってそちらにどうぞという形になるのでは?
まあそこはどうでもいいけど、無闇に人を否定してはダメですね。
まず受け入れて話しあうことから始めよう。

今日の一作vol.323 オタクな美坊主とイクメンアクター…現実だったらこのカプ生々しい

オタクな美坊主とイクメンアクター (ラルーナ文庫)

オタクな美坊主とイクメンアクター (ラルーナ文庫)

寺の僧侶、慈円は住職である父が経営する幼稚園の副園長。そして美形なのに特撮オタク。そんな慈円の前に愛するシャインレンジャーのスーツアクター、朝日アツシが。実は彼は転園してきたばかりの5歳児、真紘の父、幸人だった。
毎朝真紘を送ってくるヨレヨレの怪しげな男だったが、真紘を引き取って父親となった経緯やアクターとしての彼を知る内に憧れから恋に変わり…。

まずイラストがゴメンナサイ、好みではないです。
幼稚園の保護者をうっとりさせるほどの美形にはみえないので。
お話は面白いですが、場面きりかえが、もっとスムーズならよかったな。
なんか慈円の独りよがりな感じのところがままある。
真紘くんのしっかり具合は好きです。
将来慈円を手に入れようと目論むとこが5歳児にして恐るべし。
ちょっとエッチ多めなのが良いのか悪いのか。
もう私的にはそんなにエッチはいらないので。
ドキドキやストーリー展開をもっと読みたい。