ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.277 2119 9 29…ずっと一緒に。天国へも共にいけたなら。心を持ったらそれはもう生きている。

2119 9 29 (ショコラ文庫)

2119 9 29 (ショコラ文庫)

「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフ。
近未来、アンドロイド、通称ドールが普及していた。美しい彼等は家庭用や作業用の他、セックス用の裏ドールなどでまわっていた。
阿部は中学の頃初めてドール・美優を見て夢中になりドールオタクとして密かに有名に。将来購入することを夢みて働くが、大学のころ戦争が起き、ドールは徴収され、戦争が終わってもドールはデフォルメされた姿になり旧型は顔を潰され作業用へとされた。
阿部は家業のレストランで働いていたが、ある日常連客の芝から内密にドールをひと月預かってもらえないかと言われる。芝はヤクザの組長からの依頼で裏ドールの高嶺を預かっているが、用があってしばらく留守にするため、阿部の人柄を見込んで頼んできた。元よりドールに関しては詳しいし、ひとりでも多くのドールを救いたいと思っていた阿部は引き受ける。そして連れてこられたドールの高嶺をみて、その美しさに密かに心奪われる。そして始まった二人の奇妙な生活はやがて。

阿部ちん、いいです!
前作はあまり好きではなかったのですが、今回は阿部ちんと高嶺のやりとりや、阿部ちんのオタクの萌えや生真面目さが凄く共感できる。
彼シャツ~、天使光臨~
などと悶える阿部ちんが、なんともいえない味が。
高嶺の素直さも感動です。
ラストの高嶺が眠りにつくところは、ぐっときます。
前作は出来過ぎというか、そんな救済ありかという、腑に落ちないとこがあったのでね。
あとイラストが私にはしっくりこないので、今回も同じ方なんですが、あまりイラスト見ないで読みました。
だって天使のような美しさなのに。セックスアピールもなにもないのだもの。
ファンの方にはすみませんがこれは好みの問題なので。
とにかく阿部ちん、幸せな生涯でよかったね。