ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.341 今宵とびきりのプリン召し上がれ…オメガバースにしては突飛すぎなくじわっときました。

オメガバースの世界。
アルファの両親からオメガとして生まれた悠歩は手に職をと料理人になった。
一流店で勤めていたのだが、同僚たちの嫌がらせによって辞めざるを得なくなり、一人でできる出張料理人として、少しずつ依頼が来るように。
そんなある日、卵かけご飯とサプリメントしか口にできない極度の偏食俳優の食事作りを任された。
オメガにとってアルファの家に行くことは危険だが、顔を合わせないことで請け負った。
だが、食べてもらえたのはプリンのみ。
何が食べられないのか、その理由はとメモを残すと、返事が。
それから段々と文通めいたやりとりが始まり少しずつ食べられるものも増えてきた。
二人は手紙から心を通わせるようになったが、あるスキャンダルから俳優が今一番の売れっ子で悠歩も大ファンの径だとわかる。これ以上は駄目だと悠歩は食事作りを止めることに。
契約の最後の日に径がやってきて、悠歩を運命のつがいだと、付き合ってくれと言ってくるが。

オメガバースは苦手なんですよー。
タイトルでなんか買ってしまって、げー、と思いましたが、読んでみたらそこまでではなかったなのでよかった。
だってオメガバースだと、差別ありきでしょー。それがどうもね。
普通の恋愛に、あ、同性だった、というのが一番好きなので。

この話はまあ土台にはオメガバースでのランクからの幼少期のトラウマでの偏食なんで、虐待とかではないし、差別もそこまでではなかったので、読めました。
そしてアルファとオメガだから反対されるという、典型ですけど、でも径が悠歩を求める気持ちが強く、そしてそれを判ってくれる有力者が味方になってくれてのが良かった。
その辺は愛する2人が引き離されてというロマン派な展開なので読んでて楽しかったです。
結局結婚して子どももできちゃうところが、まあファンタジーですな。

顔を合わせず名前も知らずに、という話は『今宵、雲の上のキッチンで』

という話を思いださせました。
Kindleでは最近ですが、紙媒体はかなり前の作品です。)
よくあるパターンではありますけどね。
今回の話がプリンなせいかふんわりなら、雲の上…はコーヒーなんでガツガツといった印象です。

それぞれ面白いですけど、萌ポイントの違いですな。