今日の一作vol. 371 梟はなぜ烏を黒く染めたのか┅惚れたが負け
鳥人世界の話。
与党「はばたけ」のスズメ派議員·鳥貝の政策秘書をしている黒羽。カラス属の黒羽はその黒髪と黒瞳を自分では辛気臭くコンプレックスに思っていた。その根幹は幼なじみともいえる同じ党の議員·梟属の深森。彼とは先祖代々犬猿の仲、父親同士は寄ると喧嘩、だから格好いいなと思いつつも関心ないように振る舞う。黒羽とは違う男らしさに憧れているからこその劣等感だが、そんな黒羽に深森は俺のところに来いと誘ってくる。
断りながらも何かと仕事で会うが、そんな時、同じ秘書仲間のメールを偶然見てしまい、その内容に疑惑を持つ。汚職の匂いがするそのメールについて黒羽は調べ始め、深森にも相談して証拠を集めだすが、引ったくりにあったり暴漢に襲われたりと、どんどん身の危険がせまってきて。
中原さんお得意のサスペンス的な内容ですが、鳥人の世界なので、目属とか名前とか特性とかで何となく和んでしまいます。
黒羽が音痴なのもよいです。つい光モノを集めてしまうのとか、ヤケイ属が夜明けとともにコケーと雄叫びあけるのとか、面白い。
政治の話なんで、興味もてないかなーと思ってたら、今の日本の政治体制と同じで、かつ揶揄してるのがなるほどと納得できてよくわかりましたね。
その辺詳しい人にはものたりないかもしれないけど、キャラの肉付けも話の進行もラブの容量もバランスよくて満足です。