ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.217 御伽艶夜~かぐや皇子と花咲か小鬼~…三太郎は脇役です。

御伽艶夜 ~かぐや皇子と花咲か小鬼~ (ビーボーイノベルズ)

御伽艶夜 ~かぐや皇子と花咲か小鬼~ (ビーボーイノベルズ)

月の皇子輝夜のお気に入りは庭の花を見事に咲かせている園丁のシロ。天仙と鬼人の半鬼。シロにとっては憧れの輝夜に戯れでも抱いてもらって嬉しい反面このままでは輝夜のためにならないと悩む。そこへ帝から地球上の鬼ヶ島へ行き戻らないように命じられる。
本当のことは言わず、鬼人にとっては出世とも思われる鬼ヶ島へと旅立った。
だが、そこは桃源郷などではなく。


よくぞまとめたといいますか。
鬼ヶ島はどこなんだろう?SFも入って面白かった。
結局輝夜の粘り勝ちといいますか、帝を追い詰めて譲位するまで静かに闘ってるのが、よかった。
力で無理やり政権交代することもできたのに。
シロへの愛と月の皇子としての意識が高いのがいい。
鬼人たちの悲哀もジンときた。
シロちゃんよかったねー。
他にお気に入りは一寸かな。
桃に入って輝夜のとこにやってきたとこがツボです。
三太郎は本当に脇です。

今日の一作vol.216 愛と獣…BLならではのサスペンス劇場

愛と獣: -捜査一課の相棒- (キャラ文庫)

愛と獣: -捜査一課の相棒- (キャラ文庫)

中学生の時に目の前で家族をひき逃げされた泉。その時警官の一色に励まされて何とか一人で生きることができた。
一色に憧れ、そして家族3人の命を奪った犯人は大した罪にならなかったこともあり、犯罪を取り締まる警官になる。
そして刑事になり同じく刑事となって泉の前から姿を消した一色と同じ課で再会しコンビを組むことに。一色は憧れていた彼とは別人のようにだらしなく、なのに刑事として優秀であった。
そんな日々の中事件が起こり、前科のある人間が自分のしたことと同じような手口で殺されていく。
どれも罪状のわりに軽い刑ですんだ人間ばかりで、その犯人は泉を同士としてとりこみたいと思っているらしく。

ついつい一気に読んでしまいました。
いつ何時自分が犯罪者になるか、法の限界、自分との戦いと愛する人
BLでしか読めない葛藤ですな。
犯人も泉を同士とともに自分のモノとしたいとBLならではの展開。泉はやられてしまいます。
それでも刑事として犯人を追い詰め逮捕し個人的な憎しみより法に則って裁きを受けさせることに。
一色も泉を守り愛します。
男くさいです。
いいです!

今日の一作vol.215 家政夫とパパ…セオリー通りでちょい不満。こどもっちは可愛い。

家政夫とパパ (ディアプラス文庫)

家政夫とパパ (ディアプラス文庫)

ハウスキーパーでベビーシッターでもある千尋。家政夫として優秀で人気のある彼の新しい職場は、シングルファーザーで人気漫画家の昴の家。なんと彼は中学の頃に千尋が好きだった同級生だった。昴と彼にそっくりな3歳の子ども尊。仕事で彼らの世話をするのだけど、どうにも抑えていた昔の気持ちがよみがえってきて。

再会モノと嫁または家族モノ。
パターン通りです。まあ子どもも可愛いし、昴も千尋も元々惹かれていたわけなので、元鞘的とも言えます。
昴が自分の家庭を持つことに憧れを抱いていて早々に結婚、離婚なわけで、これもまたパターンなんですねー。
好きなシチュエーションでまとまってるんだけど、可もなく不可もなく。
人気漫画家で前の奥さんもでてきたんなら、もう少し広げてマスコミとかでのピンチを煽ってもよかったかな。
あとエッチが少ない。子どもに邪魔されるのもわかるが、千尋の融通の効かないとこ、ちとイラッとした。
仕事中でも流されてみろやー。

今日の一作vol.214 伯爵と革命のカナリア…フランス映画を観てるような

伯爵と革命のカナリア (キャラ文庫)

伯爵と革命のカナリア (キャラ文庫)

美しい白い翼と天使の歌声をもつ有翼人種~通称カナリア
ひっそりと隠れて暮らしていたがその美しさから貴族の愛玩品として取り引きされるように。
幼い頃に攫われ見世物小屋で歌わされていたカナリアには珍しく黒髪黒い瞳のノワール。小屋の主人に鞭打たれ、もう声も枯れはてて娼館に売られるところを救ってくれたのは美貌の伯爵・シルヴェストル
彼に一人の人間として扱われ教育され愛情を注がれ、ノワールは美しく成長した。
そして貴族や国王の怠惰な圧制についに国民は革命をおこすことに。
国王に蒐集されていたカナリアたちも奴隷も解放するためにノワールも手をつくす。


ドラマですねー。
要はフランス革命的なものにカナリアたちをからめているわけです。そして伯爵とノワールの溺愛すり込み恋愛ですね。
しかもノワールはホントのまっさらで、伯爵も苦笑しきり。
保健体育のような話を実施で教えながらの初体験なんですからね。
てもあざとくならずに、きれいに書けていて良かったです。
この作者さんは何かと動物をからめてきますね。ライオンやらタイガーやら。
そっちはほぼ獣姦でちょいひきましたが、翼くらいならヒトガタなんでよかった。
ノワールの一途さのたまものですな。

今日の一作vol.213 楽園暮らしはどうですか?…鉄ヲタ、リア充までの道のり

楽園暮らしはどうですか? (二見書房 シャレード文庫)

楽園暮らしはどうですか? (二見書房 シャレード文庫)

鉄オタの朝霞は好きな路線会社で働けてこれから楽園暮らしが始まるのだと思っていたが、現実には東大出ということと、人付き合いができない、機敏に乏しい性格も一緒になり、部署内で孤立していた。
そんな中廃線が決まった寂しい駅のホームで佇んでいると、自殺願望かと運転士の市川に心配される。
それ以来同じ寮ということもあり何かと市川がやってきて鍋を囲むことに。
徐々に心を開き、アドバイスに従っていくうちに、部署でもなんとかやっていけるように。
だが市川狙いの子からつきあっている人がいるか聞いて欲しいと言われ問うと、朝霞が好きだという。つきあいたいと言われて。


すごく細かく文章をかいてあって読み終わるのにだいぶかかりました。
難しいとか読みにくいとかいうのではなく、全部丁寧で、しっかりと背景も書き込んでおるので、それをスルーするのももったいないので時間かかりました。
人付き合いの下手な朝霞と昔はチャラくてでも本当はさみしがりな市川のやりとりが応援したくなる、そんな二人の話でした。
ちょっと難なのは、ことあるごとに、イケメンすごい、とか、イケメンだから、とか、朝霞的にはすごいコミュ力に感心してるんだろうけど、その一言でまとめて、連呼するのはいかがなものかと。
イケメンなのはわかったから。
そこはまたか、とうんざりしました。2度3度じゃないんですから。
あとはまあ、読み応えありの良い話でした。

今日の一作vol.212 獄中…男だらけの中に一輪の花。想像通り!

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

美貌の弁護士の蜂谷は昔から男に絡まれ何かと虐められてきた。中学3年の時にはついに強姦されそうになったが、助けてくれたのはヤクザ。
急に姿を消した彼を蜂谷は忘れられなかった。が、そんな体験から理不尽な事は許せないように弁護士になる。
しかしある日、顧問をしていた代議士に迫られ突き飛ばして逃げ死なせてしまう。正当防衛などは認められず刑務所に入ることになるが、そこは思っていた以上に酷いところで、ある刑務官から目をつけられ、ヤクザだらけの部屋と入れられる。
夜早速輪姦されそうになるが、二階堂という部屋の主に囲われ、彼一人のものとされる。行為自体は初めてであり苦しかったが、二階堂が子どもの頃に助けてくれたあのヤクザとそっくりで。


意外にも刑務所の中のことがしっかりと書かれていて、しかも刑務官の圧制や理不尽な罰など、無さそうで有りそうなところをうまく織り込んで、蜂谷の性格を盛り立てて生かしてると思う。
結局蜂谷は無罪だった訳で冤罪での色々な裁判をこれから起こして行くわけですが、二階堂とともに怖いものなんか無いでしょう。

リアル的な獄中BL話は木原さんの「箱の中」が一番ずんとくる話です。
いや、だって、恩人が同じ刑務所で同じ部屋になるって有り得ないでしょ。
そんな運命的なことを狙っていたなら、ちょっとやり過ぎかな。もう少し自然な偶然でお願いします。

今日の一作vol.211 あの日の君と、今日の僕…思い出すのは号泣ダッシュ、て(笑)

あの日の君と、今日の僕 (ディアプラス文庫)

あの日の君と、今日の僕 (ディアプラス文庫)

高校卒業の日に告白してきたイケメンの渋川。築島が断ると号泣してダッシュで走り去った。あまりのことに十年経った今でも夢に見てしまうほどのインパクト。
テレビ局のディレクターの仕事の仮眠中にまた夢をみたその日、築島は今度組むドキュメンタリー番組の仕事で制作会社のディレクターでこの企画をたてた渋川と再会する。
仕事上ではきれっきれの渋川だが、築島の前ではぐだぐだになる。
築島はそんな渋川のかわいそうでかわいいところが気になって。

いつもながら関西弁でテンポよくまわしていって面白いです。
男前の受も個人的に大好きなんで、楽しかった。
築島が真剣に渋川を抱けるか考えてるのもかわいいけど、実は逆だと知っても好きにせい、でも慣れるまでは挿れんな。
てオトコマエやわー。
後半書き下ろしの渋川目線のも、なんで築島が好きなのかとか、またさり気なく親の役割みたいなものも書かれていて考えさせられる場面もありました。
念願の挿入も果たし、共に白髪の生えるまでー末永く幸せにー。