ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.282 あなたが教えてくれた色…受け入れかねる恩人愛、素直になれない人々。

あなたが教えてくれた色 (ショコラ文庫)

あなたが教えてくれた色 (ショコラ文庫)

画材屋で見かけた環紀に一目惚れした医大生の高良。ストーカーのように見つめていただけだが、偶然彼を助けて知り合え、すぐに告白、つきあえるように。
8歳も年上なのに魅力的な環紀にどんどん好きになる。しかし環紀は学生の頃からのつきあいがある画商の宇津木との関係も続けていた。
特定の相手を作ることは無理という環紀とはやはり続けられないと会うのをやめるが。

こういう関係は無理。
環紀も好きなのは高良なんだから、宇津木が病気でもなんでも抱かれてやるのはどうなの?
宇津木もくそだな。
いい年なんだし、環紀を好きなのはわかるけど、環紀が高良を好きだとわかってるのに求めるのは卑怯だ。
紳士ではないね。
それに番外編ペーパーでは、結局別のパートナーをさっさとつくりやがって、なんか読んでて腹たつ話でした。
環紀と高良の紆余曲折が書きたかったのたろうけど、これはどうよという話。
苦手です。

今日の一作vol.281 蒼き狼と白鹿の身代わり花嫁…ややヘタレの狼にはか弱い白鹿が似合う

蒼き狼と白鹿の身代わり花嫁 (二見書房 シャレード文庫)

蒼き狼と白鹿の身代わり花嫁 (二見書房 シャレード文庫)

白鹿族の末裔の湖白は金国の皇子でありながらも異母兄に迫害され一族の証の角を削って献上し、幼い妹の花琳とともに宮城の片隅に暮らしていた。ある日狼族との和睦のために白鹿族から花嫁をさしだすように言われるが、まだ5才の妹の代わりに湖白は身代わりを申し出る。
そして嫁いでいった狼族の王ジュチは湖白が男だと知っても特に報復するでもなく湖白を置いてくれる。ジュチと過ごすうちにその潔癖さの事情と優しさを知るが。

湖白の健気さとジュチの苦悩がよいです。種族は違えど運命の相手です。
狼の姿になれたのが湖白が犯されたせいというのも皮肉ですが、激情が必要だったのね。
黒豹族もムカつくけど、金国の湖白の異母兄が一番ムカつく。
ラブラブでラスト終わったけど、そいつをやっつけましたの一言がほしいね。
あと花琳ちゃんも大きくなって狼族の誰と結婚したのかも気になるところ。
まあ、面白かった。

今日の一作vol.280 竜の棲み処ー君に至る道しるべ…満足の中の不満足

竜の棲み処 君に至る道しるべ【限定SS付イラストカード封入】 (LiLiK文庫)

竜の棲み処 君に至る道しるべ【限定SS付イラストカード封入】 (LiLiK文庫)

「竜と人」のお話、続編。
独り立ちのために新しい巣を作った竜のタキア。そして竜の番人としてタキアと暮らすルサカ。やっとお互い想いあうことが出来てラブラブだけど、またやってくる発情期にそなえて色々な準備が必要で。

楽しいです。
でもちょっと一冊につめこみ過ぎて、話が多くなり過ぎ。
読んでいるうちになんだか何の話の続きだか引用だか、言いたいこと書きたいことが迷走してしまった印象。
いえわかりますよ?わかりますが、バトンがうまく渡っていないというか。
ほやんとした印象の話でタキアもルサカも可愛いんだけど、もうちょっとメリハリがほしかった。
400ページ越すので、なんなら二冊に分けてタキアとルサカのいちゃいちゃをましてほしかったかな。
竜騎士とかの区分けというか、設定がいまいち不確定なので、頭にはいりません。魔法世界なんで、まあいいけどね。
ライアネルさまが、立ち位置難しい。

もう一度読み直しますけど、やや期待外れ感が。
惜しい、かな。

今日の一作vol.279 禁断の感度…近親相姦は特に愛ありきで。

禁断の感度 (ラヴァーズ文庫)

禁断の感度 (ラヴァーズ文庫)

愛人をしていた母が亡くなって半年後、三冬は父に犯された。父は何の躊躇いもなく、当たり前のように三冬を抱いたのだ。ショックで三冬は家を出てからは一人で暮らすが、極度の接触過敏になってしまった。
仕事も家で出来るウェブデザイナーをして暮らしていたが、打ち合わせで出掛け、電車の中で痴漢にあう。硬直した三冬を助けてくれたのは異母兄の衛だった。そのまま家に連れて行かれ、今度は父と衛と異母弟の颯介も入れて3人に代わる代わる抱かれてしまった。
こんなことはいけないことなのに、身体は素直に喜んでいて。

エロありきの話なんで、苦手な人はやめましょう。
近親相姦も苦手な人はやめましょう。
4P5Pが駄目な人はやめましょう。

三冬は真っ当に抵抗しますが、身体は感度良好なんで、困ります。
でも憎い人達じゃない、むしろ家族として甘えたいと思っていたので、愛されるのは嬉しい。そこがポイントですよね。
しかもみんないい男ばかり。
萌ツボはそこです。
パパさんが、可愛いと思うものを可愛いがって何が悪い。
というのがすべて表してますね。
これも愛のかたちとしてみれば、いいのです!
逆に冴えない中年父とかに酔った勢いで無理やりやられるとかのシチュエーションは嫌い。
そのてんこの話は愛ありの割とさわやか?な流れだと思うんだけど。

今日の一作vol.278 堕ちた天使は死ななければならない…感慨深い。愛されて育たないと犯罪と信念の区別がつかなくなるのかもね。もって生まれたものもあるけど。

堕ちた天使は死ななければならない (二見書房 シャレード文庫)

堕ちた天使は死ななければならない (二見書房 シャレード文庫)

金髪碧眼の美しい少年達を天使として監禁していた事件。その被害者たちが次々と殺されていった。ジェフリーが務めるニューオーリンズ警察にまた金髪碧眼の青年が殺されたと一報が。捜査で訪れたアパートにいたのは最後の天使レイモンドだった。
昔少年の頃、そのカルト教団に監禁されていた彼等を解放する一端をになったジェフリーは、一目会って彼を思い出し、またレイモンドも唯一怯えることなく接することのできるジェフリーに急速に惹かれる。
だが、FBIの捜査官でジェフリーのいとこのカイルが近づいてきて。


本格推理小説なみで、一気に読みました。
羅川さんのニューヨーク・ニューヨーク吉田秋生さんのBANANA・FISHを思い出しましたね。
レイモンドやジェフリーの葛藤も凄いよくわかるし、犯罪者なんだけど、カイルもわかるところも。
いっちまってるのはもうどうしようもないからね。
実際にありそうな事件で怖いわー。

今日の一作vol.277 2119 9 29…ずっと一緒に。天国へも共にいけたなら。心を持ったらそれはもう生きている。

2119 9 29 (ショコラ文庫)

2119 9 29 (ショコラ文庫)

「ショートケーキの苺にはさわらないで」のスピンオフ。
近未来、アンドロイド、通称ドールが普及していた。美しい彼等は家庭用や作業用の他、セックス用の裏ドールなどでまわっていた。
阿部は中学の頃初めてドール・美優を見て夢中になりドールオタクとして密かに有名に。将来購入することを夢みて働くが、大学のころ戦争が起き、ドールは徴収され、戦争が終わってもドールはデフォルメされた姿になり旧型は顔を潰され作業用へとされた。
阿部は家業のレストランで働いていたが、ある日常連客の芝から内密にドールをひと月預かってもらえないかと言われる。芝はヤクザの組長からの依頼で裏ドールの高嶺を預かっているが、用があってしばらく留守にするため、阿部の人柄を見込んで頼んできた。元よりドールに関しては詳しいし、ひとりでも多くのドールを救いたいと思っていた阿部は引き受ける。そして連れてこられたドールの高嶺をみて、その美しさに密かに心奪われる。そして始まった二人の奇妙な生活はやがて。

阿部ちん、いいです!
前作はあまり好きではなかったのですが、今回は阿部ちんと高嶺のやりとりや、阿部ちんのオタクの萌えや生真面目さが凄く共感できる。
彼シャツ~、天使光臨~
などと悶える阿部ちんが、なんともいえない味が。
高嶺の素直さも感動です。
ラストの高嶺が眠りにつくところは、ぐっときます。
前作は出来過ぎというか、そんな救済ありかという、腑に落ちないとこがあったのでね。
あとイラストが私にはしっくりこないので、今回も同じ方なんですが、あまりイラスト見ないで読みました。
だって天使のような美しさなのに。セックスアピールもなにもないのだもの。
ファンの方にはすみませんがこれは好みの問題なので。
とにかく阿部ちん、幸せな生涯でよかったね。

今日の一作vol.276 不器用なトライアド…若者の過ち、芽生える恋、青いけどいいねー

不器用なトライアド (二見書房 シャレード文庫)

不器用なトライアド (二見書房 シャレード文庫)

忍は高校三年間、片想いしてきた弘哉に玉砕覚悟で告白した。するとノンケなのに遊び人の彼は試しにやってみたい。セフレでいいなら付き合うという。一度でも抱かれてみたかった忍はそれでもいいと言ってしまう。と、早速とそのままやられるが、本当にいれるだけ。弘哉は自分本位の、忍が痛がっていても自分に抱かれているんだからいいだろと、大学進学後も頻繁に抱くように。
弘哉は思っていたよりも忍がよく、はまっていくが、惹かれていくのを認めず、身体だけだと、今度は同じ高校だった忍も知っている達巳を誘い3Pをする。
忍は諦め受け入れるが、達巳は優しく抱いてくれ、むしろ弘哉だけよりも楽に。
そのまま3人でするようになるが、弘哉が女の子といるところを見て、忍は弘哉と関係は絶つことに。一人落ち着いてみてふと思い浮かぶのは達巳で。

片想いはそのままのほうがよいです。
弘哉はほんとに馬鹿な奴です。ホントは忍を好きになっていたのに、ホモじゃない、と忍を邪険にする。で、忍は一気に弘哉への気持ちは冷めてしまう。で優しい達巳が好きになる。達巳もあまりな弘哉の態度と忍の健気さとに次第に気持ちまで忍に惹かれる。
若いけどぐるぐるしてるけど、こんな感じは嫌いじゃない。ちょっとずつ誰もが覚えのあるような感情で、ただ3Pだけの話かと思いきや、青春してるじゃん、と切なくなりました。
まあ結局どうなったのかは表紙のイラストから少しわかるかな。
新人さんのようですが、次作が楽しみです。