ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.213 楽園暮らしはどうですか?…鉄ヲタ、リア充までの道のり

楽園暮らしはどうですか? (二見書房 シャレード文庫)

楽園暮らしはどうですか? (二見書房 シャレード文庫)

鉄オタの朝霞は好きな路線会社で働けてこれから楽園暮らしが始まるのだと思っていたが、現実には東大出ということと、人付き合いができない、機敏に乏しい性格も一緒になり、部署内で孤立していた。
そんな中廃線が決まった寂しい駅のホームで佇んでいると、自殺願望かと運転士の市川に心配される。
それ以来同じ寮ということもあり何かと市川がやってきて鍋を囲むことに。
徐々に心を開き、アドバイスに従っていくうちに、部署でもなんとかやっていけるように。
だが市川狙いの子からつきあっている人がいるか聞いて欲しいと言われ問うと、朝霞が好きだという。つきあいたいと言われて。


すごく細かく文章をかいてあって読み終わるのにだいぶかかりました。
難しいとか読みにくいとかいうのではなく、全部丁寧で、しっかりと背景も書き込んでおるので、それをスルーするのももったいないので時間かかりました。
人付き合いの下手な朝霞と昔はチャラくてでも本当はさみしがりな市川のやりとりが応援したくなる、そんな二人の話でした。
ちょっと難なのは、ことあるごとに、イケメンすごい、とか、イケメンだから、とか、朝霞的にはすごいコミュ力に感心してるんだろうけど、その一言でまとめて、連呼するのはいかがなものかと。
イケメンなのはわかったから。
そこはまたか、とうんざりしました。2度3度じゃないんですから。
あとはまあ、読み応えありの良い話でした。

今日の一作vol.212 獄中…男だらけの中に一輪の花。想像通り!

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

獄中 -寵辱の褥- (カクテルキス文庫)

美貌の弁護士の蜂谷は昔から男に絡まれ何かと虐められてきた。中学3年の時にはついに強姦されそうになったが、助けてくれたのはヤクザ。
急に姿を消した彼を蜂谷は忘れられなかった。が、そんな体験から理不尽な事は許せないように弁護士になる。
しかしある日、顧問をしていた代議士に迫られ突き飛ばして逃げ死なせてしまう。正当防衛などは認められず刑務所に入ることになるが、そこは思っていた以上に酷いところで、ある刑務官から目をつけられ、ヤクザだらけの部屋と入れられる。
夜早速輪姦されそうになるが、二階堂という部屋の主に囲われ、彼一人のものとされる。行為自体は初めてであり苦しかったが、二階堂が子どもの頃に助けてくれたあのヤクザとそっくりで。


意外にも刑務所の中のことがしっかりと書かれていて、しかも刑務官の圧制や理不尽な罰など、無さそうで有りそうなところをうまく織り込んで、蜂谷の性格を盛り立てて生かしてると思う。
結局蜂谷は無罪だった訳で冤罪での色々な裁判をこれから起こして行くわけですが、二階堂とともに怖いものなんか無いでしょう。

リアル的な獄中BL話は木原さんの「箱の中」が一番ずんとくる話です。
いや、だって、恩人が同じ刑務所で同じ部屋になるって有り得ないでしょ。
そんな運命的なことを狙っていたなら、ちょっとやり過ぎかな。もう少し自然な偶然でお願いします。

今日の一作vol.211 あの日の君と、今日の僕…思い出すのは号泣ダッシュ、て(笑)

あの日の君と、今日の僕 (ディアプラス文庫)

あの日の君と、今日の僕 (ディアプラス文庫)

高校卒業の日に告白してきたイケメンの渋川。築島が断ると号泣してダッシュで走り去った。あまりのことに十年経った今でも夢に見てしまうほどのインパクト。
テレビ局のディレクターの仕事の仮眠中にまた夢をみたその日、築島は今度組むドキュメンタリー番組の仕事で制作会社のディレクターでこの企画をたてた渋川と再会する。
仕事上ではきれっきれの渋川だが、築島の前ではぐだぐだになる。
築島はそんな渋川のかわいそうでかわいいところが気になって。

いつもながら関西弁でテンポよくまわしていって面白いです。
男前の受も個人的に大好きなんで、楽しかった。
築島が真剣に渋川を抱けるか考えてるのもかわいいけど、実は逆だと知っても好きにせい、でも慣れるまでは挿れんな。
てオトコマエやわー。
後半書き下ろしの渋川目線のも、なんで築島が好きなのかとか、またさり気なく親の役割みたいなものも書かれていて考えさせられる場面もありました。
念願の挿入も果たし、共に白髪の生えるまでー末永く幸せにー。

今日の一作vol.210 猫屋敷先生と縁側の編集者…ほんわり嬉し楽し、もふもふしたし。

猫屋敷先生と縁側の編集者 (キャラ文庫)

猫屋敷先生と縁側の編集者 (キャラ文庫)

ファッション誌から文芸誌へと異動になった編集者の晶川。担当になったのはベストセラー作家の本屋敷。原稿をとりに行くとそこはまるで猫屋敷で先生はまるで書く気はなく、居眠りばかり。
なんとか原稿をとってやりたいと悩む晶川はある日ゲイバーで本屋敷と偶然出会い、セックスをする代わりに原稿をあげることを約束させる。
するとあっという間に本屋敷は原稿をあげてきて、セックスすることに。だが、晶川は実はノンケ。別に減るもんじゃなしと受けてたったが。

楽しかった!
祖母が外国人で見た目派手な分遊んでるんだろうといつも見た目で判断されて嫌な目をみてる晶川は実は真面目で、本屋敷にも誤解されてのお試しセックスなんだけど、そこはちょっと痛そうでしたね。
でも自分の言ったことに責任を持つのと、本屋敷のことが可愛いというか、
無邪気な子どもの内面を持つところと作品の面白さに惹かれていくのが凄く共感できる。
本屋敷のような男はムカつくけど惹かれるよね。
ほのぼの縁側で膝枕なんかもよいです。
猫たちもかわいい。
笠井さんのイラストもエッチくさいだけじゃなく猫たちあわせて綺麗でかわいい。
もう一度読み直したくなる満足感いっぱいの話でした。

今日の一作vol.209 皇子のいきすぎたご寵愛…平安皇子年下責め師弟ラブ物の怪退治 詰め合わせ

皇子のいきすぎたご寵愛~文章博士と物の怪の記~ (ラルーナ文庫)

皇子のいきすぎたご寵愛~文章博士と物の怪の記~ (ラルーナ文庫)

文章博士いわゆる学校の先生をしている藤春は頭痛持ち。そして物の怪が見えるという厄介な力がある。特に物の怪が近くに現れるときは頭痛がひどくなる。
そんな藤春に懐く、以前の教え子貴之は鍼師になり、頭痛の一端が物の怪にあることに気付く。そして、ある日、五条橋に現れる女の霊の謎を解いてほしいと言い、貴之は実は皇子で、彼の手配で後宮に女装して潜入することになり。

物の怪退治に重きをおくのか、師弟ラブにもっていきたいのか、なんだかとっちらかってて落ち着かない話でした。
別に物の怪が見えたからって後宮に潜入しなくてもよくね?
貴之の下の女房の中でスパイできそうなのを送り込めばいいし。
しかもなしくずしに藤春は貴之のこと受け入れてるし、いまいち貴之もなんで藤春のこと好きなのかわからん。理想の姫だとか、本気さがみえない。
さらーっと押し倒してるけど貴之があんまり逞しくもみえないし。
作り込もうとして、うまくいってない。
平安ものなのにちゃらい。
無理ありき。

今日の一作vol.208 魔女の血族ーオリジナル・ウィッチ…西野×笠井でエロすぎる!?でも不快感はないエッチ。

祖母がクロアチア人で隔世遺伝なのか、藍色の瞳を持つ、宇市司。
大学で具合が悪くなった司に手を貸してくれたのは准教授の浅葱。
彼は魔女研究については有名らしく、司が魔女の家系であることを知り、司の魔女としての力を目覚めさせ、そして体ごと手に入れると様々な淫らな行為をしてきて。

エッチありきです。
浅葱は司を魔女の血筋としてはもちろん、パートナーとしても手に入れたかったわけですな。
魔女の目覚めをさせるだけなら簡単な催眠術でよかったわけですから。
司自身も一目惚れ状態だし、魔女の力をコントロールすることもできるようになって、運命の相手でよかった。
きっちりと筋が通っていてただのエロい話で終わってないのがよかった。
ちょっと浅葱のぶっとんだとこは怖いけどね。

今日の一作vol.207 愛しきことかな…溺愛系、ラブりーな弟と凛々しい兄は定番

愛しきことかな (B-PRINCE文庫)

愛しきことかな (B-PRINCE文庫)

右大臣の正妻の息子・幸成は腹違いの兄・貴将を慕っていたが、父は二人が仲良くするのを良しとせず、たまにしか会わせてくれなかった。
そして数年後貴将は帝の影武者となったことを知り、幸成は元服して出仕する際近衛を希望する。
だが帝のすぐ側で、貴将ともに守るためにはもっと他に何かないかと思案し、女人の姿になり内裏を警護することにした。
しかし数日で帝にみつかり、あっさりと幸成とばれて。

好きな平安ものなんで期待し過ぎたかも。
面白いけど、ぺらい。
そもそも元の東宮だかが、橘なわけでしょ?で桂木とつき合うために、わざわざ帝の血をひくとはいえ外にもうけていた貴将に帝にさせて、でも幸成との仲を橘が応援するなんて、本末転倒じゃない?
しかも近衛を頼りにならない幸成が。
しかも少将とか。
ご都合主義もいいとこ。
まあ、貴将と幸成の仲についてはBLなんでやることやんなきゃですが。
もうちょっと駄目です感がほしいね。
こんなことしちゃいけない、とか、悩んでほしいなあ。素直に受け入れすぎだわ。
元村の役所がもっと生かしてほしいし。
物足りないかな。
もっと事件があってもよかったし。