今日の一作vol.345 ドラマ/ラジオ…普通の恋愛小説として読んで欲しい
- 作者: 朝丘戻,麻生ミツ晃
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2011/12/13
- メディア: 文庫
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- 作者: 朝丘戻,麻生ミツ晃
- 出版社/メーカー: フロンティアワークス
- 発売日: 2017/12/13
- メディア: 文庫
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[ドラマ]
モデルの拓人にドラマのオファー。同性愛をテーマにした作品で、相手役の恵裕次からの指名だという。拓人は自分に芝居はそれも同性愛のなんて無理と断ろうとするが、マネージャーによく考えてと言われ、また恵は憧れの人でもあるので、突撃して彼に会う。そして恵と話すうちに彼が相手ならと出演を決めた。
クールな印象の恵は話してみると気さくでドラマの撮影が進むにつれプライベートでも仲良く過ごし、次第に役の海なのか拓人自身なのかわからなくなるくらい恵を好きになる。
恵もまた拓人を指名するほどファンで拓人の凛とした姿にこちらも役の岡崎と自身重ねて拓人を愛する。
お互いに愛し合うが、拓人は恵を愛するがゆえにドラマが終わる時別れることに決める。恵はそんな拓人の気持ちも知りつつもドラマ終了後も付き合っていこうと夢を語るが。
[ラジオ]
ドラマ終了から六年。拓人がパーソナリテイを担当するラジオ番組にゲストとして恵裕次を呼ぶという企画が。
ドラマ終了後に別れてから会っていない。でもやっぱり好き。動揺しないかどうかはわからないけど。
企画はドラマの再放送に便乗したもの。
5日間毎日恵がゲストで、当時の裏話やリスナーからの質問に答えるもの。
そして一日目がやってきて。
芸能人同士の話は好きです。
片方が一般人よりもお互いに磨き合う関係で愛に苦しむところがなんともイイのです。
作者の朝丘さんの話は今色々読んでいるところですが、精神的な話が深いです。
そしてだいたい一回別れます(笑)
別れてからまた互いにこの人しかないとなるわけです。
このドラマとラジオはじーっくり読みたいです。
読み終わり、今一度読み直したくなりました。
ドラマの中での劇中劇である『白の傷跡』の話自体はよくある話です。それをやることによって拓人が役の海と重なり、六年引きずることになるわけですね。そしてラジオで再会し、リスナーからの質問や意見に答え、世間の捉え方を知り、海を自分とは違うものだと切り離すことができ、また恵を愛していいんだと気付く訳です。
昔のようにじゃれあいラジオでいちゃいちゃしてるのは微笑ましかった。
恵も拓人をずっと待ってて、ラジオの話がなくてもそろそろ限界だと会いにいくつもりだったようですね。
拓人より恵のほうが比重か重いかと。
確かにBLなんですけど、エッチシーンはさらっと、あれ?いたしたの?というくらいで、気持ちの読解に終始することのほうが多いですね。
普通の恋愛小説として読んでていいと思います。
読み込むほうが好きな方にお勧めです。
今日の一作vol.344 後宮に日輪は蝕す/幻宮は漠野に誘う…後宮にいても、外に出ても、命からがら
- 作者: 篠原悠希
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2017/11/25
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- 作者: 篠原悠希
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2018/04/25
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星家の生き残りの遊圭は女官として後宮へ入り、陰謀を暴き出し皇帝の危機を救う。その褒美として、なんと妃嬪にと内示が。男子の遊圭はピンチ。後宮を抜け出そうとして見つかってしまい、結局医生官試験に合格したら望みを叶えてもらうという約束をしたが。
やっと本来の男子の星遊圭と名乗ることができるようになり、後宮もでることができた遊圭。
だが、今度は政略結婚のために遠国に輿入れすることになった麗華の近侍女官としてともに旅することに。
麗華の身辺が心配でもあるし、皇帝直々頼まれてやむなく遊圭は承諾する。
真の任務は失われた日蝕の周期表「天官書」を探しだすことで。
これでもかこれでもかと危機が。
漢字多いし状景を想像するのも目まぐるしいけど、その分読んだらぐいぐい引き込まれます。
やっと遊圭女装しなくて生きられるようになったのにー。
まあ主人公が育っていくのは楽しいですね。
玄月が憎たらしいけど、頼りになる。そこがまた悔しい。
これでやっとお家再興できるのかな?
今日の一作vol.343 騎士と魔女の養い子…カワイイだけでは魔法つかいはやってけない
- 作者: 秋山みち花
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2018/03/27
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彼を助けたのは少女のごとき美貌のエレ。一人谷で暮らしているというエレは魔法の力も強く魔物も恐れることはないというが、ルドヴィークはケガが治るとエレを連れて王都へと帰る。
ルドヴィークの家族はエレを温かく迎え、養子にしようとする。しかし国王にエレを謁見させると、実は王太子にそっくりなエレは使えると思われたのか幽閉に近い扱いで留められる。
エレ、正式にはエレミアーシュは王太子の双子だった可能性があり、そのために忌み子として捨てられたらしく、しかも拾って育ててくれたのはルドヴィークが倒した魔女で。
エレはルドヴィークといたいだけなのに。
エレの無垢なところが可愛いです。でもわりとイイ性格もしてます。
ルドヴィークも騎士らしい真っ直ぐな性格や気風が、エレが魔力を使うと目と髪の色が変わっても化け物と見ないで受け入れてくれる、そういう度量の深さがしっかりかかれていて、ふたりがお互いに想いあうのがよくわかる。
そのへんの恋愛感情はいいとして、何故エレが捨てられたのか、詳細はぼかされてるし、国王の人となりや王太子やルドのライバルなどの扱いとか、なんか紹介しましたー的な薄っぺらな感じで、せっかく面白い設定なのに、エレとルドの世界で終わるのはもったいないなー。
BLの世界だし、このレーベルではファンタジーを深くは書かれないのはわかってますけどね。
今日の一作vol.342 俳優彼氏と愛されおうちごはん…男前受はヘタレ俳優に狙われてます
- 作者: 松幸かほ,カワイチハル
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2018/04/18
- メディア: 文庫
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先日子役時代の仲間たちに会い、中でも一番一緒にいた義成は最近家にご飯を食べにやってくる。見た目の繊細さとは反対にパキッとした性格の瑞穂と比べ人見知りな性格の義成は今やイケメン実力派俳優として売れっ子のくせに瑞穂には屈託無く甘えてくる。
頻繁に通ってくるせいでファンがたむろし、結局瑞穂はマンションを引き払い義成と暮らすことに。
暮らしてみると中々快適で、瑞穂は時折子役時代の交流などを楽しんでいたが、義成はある日兄役だった俳優と瑞穂がバーで飲んでいたのを見て激高し瑞穂を襲ってきて。
俳優とご飯作りの2人の話。前回アップしたプリンのと似たシチュですが、こちらは単純明快。
しらっとした顔で瑞穂を囲い込んでと義成がいつキレるかは時間の問題。強姦されても嫌いじゃないという時点でハイ落ちてる!
まあ先がみえてる話だけど、話の運び方がうまいので面白く読めました。
ただもう少し義成の瑞穂へのアピール部分がはっきり分かる文があればなあと。
ニュアンスではわかるけど。
あと相談されていた英利さんの冷めてるけど優しいとこと、でも面白がってるようなとこがツボです。
英さんの話も読みたいです。スピンオフお願いします。
今日の一作vol.341 今宵とびきりのプリン召し上がれ…オメガバースにしては突飛すぎなくじわっときました。
今宵とびきりのプリン召し上がれ ~ほろにがカラメルと甘い恋文を添えて~ (二見書房 シャレード文庫)
- 作者: 淡路水,麻生海
- 出版社/メーカー: 二見書房
- 発売日: 2018/03/26
- メディア: 文庫
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アルファの両親からオメガとして生まれた悠歩は手に職をと料理人になった。
一流店で勤めていたのだが、同僚たちの嫌がらせによって辞めざるを得なくなり、一人でできる出張料理人として、少しずつ依頼が来るように。
そんなある日、卵かけご飯とサプリメントしか口にできない極度の偏食俳優の食事作りを任された。
オメガにとってアルファの家に行くことは危険だが、顔を合わせないことで請け負った。
だが、食べてもらえたのはプリンのみ。
何が食べられないのか、その理由はとメモを残すと、返事が。
それから段々と文通めいたやりとりが始まり少しずつ食べられるものも増えてきた。
二人は手紙から心を通わせるようになったが、あるスキャンダルから俳優が今一番の売れっ子で悠歩も大ファンの径だとわかる。これ以上は駄目だと悠歩は食事作りを止めることに。
契約の最後の日に径がやってきて、悠歩を運命のつがいだと、付き合ってくれと言ってくるが。
オメガバースは苦手なんですよー。
タイトルでなんか買ってしまって、げー、と思いましたが、読んでみたらそこまでではなかったなのでよかった。
だってオメガバースだと、差別ありきでしょー。それがどうもね。
普通の恋愛に、あ、同性だった、というのが一番好きなので。
この話はまあ土台にはオメガバースでのランクからの幼少期のトラウマでの偏食なんで、虐待とかではないし、差別もそこまでではなかったので、読めました。
そしてアルファとオメガだから反対されるという、典型ですけど、でも径が悠歩を求める気持ちが強く、そしてそれを判ってくれる有力者が味方になってくれてのが良かった。
その辺は愛する2人が引き離されてというロマン派な展開なので読んでて楽しかったです。
結局結婚して子どももできちゃうところが、まあファンタジーですな。
顔を合わせず名前も知らずに、という話は『今宵、雲の上のキッチンで』
今宵、雲の上のキッチンで【イラスト入り】 (ビーボーイノベルズ)
- 作者: ひちわゆか
- 出版社/メーカー: リブレ
- 発売日: 2017/03/15
- メディア: Kindle版
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(Kindleでは最近ですが、紙媒体はかなり前の作品です。)
よくあるパターンではありますけどね。
今回の話がプリンなせいかふんわりなら、雲の上…はコーヒーなんでガツガツといった印象です。
それぞれ面白いですけど、萌ポイントの違いですな。
今日の一作vol.340 午後9時からは恋の時間…恋は時間制限では縛られないもの。
- 作者: 夕映月子,みずかねりょう
- 出版社/メーカー: 心交社
- 発売日: 2018/04/07
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ある日お迎えで雨に降られた2人を自宅で休ませ、柊が同業のインテリアデザイナーで独立したばかりだとわかる。息子の陸のお迎えに度々間に合わないこともあるときき、佐倉は自分が思うように働けない辛さを彼に重ね、少しでも役にたてばと、陸をたまに預かることに。
そして柊への憧れがだんだんと恋愛感情へと変わってしまい。
職場での理不尽な扱い。才能があるのにそれを上手く引き出してもらえないのはその上司や職場の人間の足りなさですよね。
そして佐倉自身ゲイであるということで、また一歩ひいてしまう。
その辺の微妙さをうまく絡ませていて、上手いです。夕映さん。
佐倉のその心の動きもそうですが、柊の気持ちも何だかちょっとした一文で表現されていて、こりゃあ柊って腹黒と見ました!
陸くんも可愛いですが、子供を使うとあざとくなりがちですが、そこはあまり気にならなかったし、イラストのみずかねさんのお子ちゃまは可愛いので、堪能しました。
柊さんはクセありで、佐倉もそれは気づいてるけど、そんなところも素敵となれば、まあ良かったね、苦労が報われてという気持ちです。
うん、良かった良かった。
今日の一作vol.339 獅子王の寵妃 第四王子と契約の恋…ケチではなく節約家の王子がムチをふるいます
- 作者: 朝霞月子,壱也
- 出版社/メーカー: 幻冬舎コミックス
- 発売日: 2018/03/29
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従兄のビリアンが勤める主計局でなんとか財務をやりくりしていたが、到底間に合わず、ビリアンは倒れてしまいクランベールが呼ばれた訳だが、内情を調べると国王ダリアの浪費、貴族たちの贅沢に国庫はもう崩壊寸前だったのだ。
クランベールは直ちにその無駄な出費を押さえ城の金目のものを売り払い必要経費にあてることにした。
当然国王ダリアは文句を言ってくるが、クランベールは意にも介さない。
ダリアの傲慢さをクランベールはものともせず二人の相性は最悪。幾度も衝突していたが、よく知るとダリアはちやほやと育てられた子供のようなものでその性根は真っ直ぐだとクランベールはみた。
ならば自分が育て直すつもりでいてやろうと腹をくくる。
次第にやり取りも慣れたものになったある日、とあるきっかけから身体の関係を持つことになって。
面白い!
俺様わんこのダリアと、ツンデレしない女王様なクランベールのやり取りがよいです。
身体の関係から、ダリアをそれとなくクランベールの思う通りに躾ていくわけですが、徐々に懐いて、もとい、良い関係になっていくわけです。そしてクランベールがダリアを庇って怪我をしたことで、ダリアも国のこと、そしてクランベールのことも本気に想います。
その本気からクランベールは逃げますが、まあダリアは捕まえて丸くおさまります。
ざっと言えばこんな感じですけど、二人のやりとりというか、エッチにしてもぷぷっと笑ってしまう箇所とかもあったり。
前作の第八王子のフランも出てきます。
大体においては文句ないのですが、ラストはしょりすぎかな?
ダリアのプロポーズを受けて、その後国に帰ってもうちょっとらぶらぶしてほしいかなー。
次回の第?王子の時にらぶらぶしててほしい!