ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.259 空に響くは竜の歌声〈暁の空翔ける竜王〉…平和な御代は愛が故でしょう

竜王の治めるエルマーン王国。平和な国へと立て直したフェイワン王と王妃龍聖が亡くなり、息子のシィンワンが新たな竜王として目覚めた。彼のもとへ召喚されたリューセーは素直な高校生。代々伝えられてきた龍聖の役目をなすことに気負っていたが、二人が一目みてお互いにひかれあう。
だが龍聖は慣れるとともに先代のリューセーの偉大さに自信を無くしていき。


シリーズの次代目ですね。
キャラクターがとても生き生きしてるので、楽しく読めました。
ラブラブで微笑ましくて多少トラブルや国の危機もありますが、愛で解決ですよ。
前作を読んでないとわかりにくいこともありますが、背景が細かく設定されてるので、ファンタジーによくある曖昧さはあまりなく、納得で読めます。
卵から孵るところをイラストでみたかったな。可愛いだろうな。卵抱えた赤ちゃん。(o^^o)

今日の一作vol.258 神さまのビオトープ…世の中は秘密だらけで、みんな好きに生きていい。

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

神さまのビオトープ (講談社タイガ)

うる波の夫「鹿野くん」は結婚二年目にして事故死した。お葬式が済んでうる波一人になったら、なんと鹿野くんがいつものようにそこにいる。ショックで自分がおかしくなったのかと思ったが、鹿野くんは自分か死んだこともわかっているという。つまりは幽霊だ。それからうる波は鹿野くんと一緒に暮らす。鹿野くんは煙草も吸うし、ご飯も食べる。画家なので描き掛けの絵もかく。減りもしないし完成もしないけれど。
彼のことは秘密にしていたが、大学の後輩に知られてしまい。

うる波と鹿野くんの出会う人々との話を四編収録。


さすが凪良さん。
元々はBL書きではありますが、それだけでは済まない力量です。
木原さんや榎本さんにつぐ作家さんだと思います。

救済の話だと帯などに書かれてますが、わたしはそうだとは思いません。
世界の決めた常識という「正しさ」とは外れてしまった人々の選択。
それはそれぞれがきめることで、うる波と鹿野くんがその人々にかかわってはいるけど、道を示した訳でもなく。
ただ淡々と、そしてうる波は鹿野くんとずっと暮らしていくことがただの幸せなんだと言ってるだけ。
自分の幸せと他人の幸せは交わらない。
なにも救済とは思えない。
あとがきも何もないので、編集さんがつけたキャッチなのかはわかりませんが。

話はとても沁みます。

今日の一作vol.257 恋人候補の犬ですが…ストーカーの紙一重

恋人候補の犬ですが (リンクスロマンス)

恋人候補の犬ですが (リンクスロマンス)

母亡き後母の再婚相手と暮らす涼一。美貌の持ち主ながら性格は真面目で、病気療養をしている義父・和彦に淡い想いを抱きつつ、彼の為にも上司のセクハラにも耐えていた。
そんな涼一の勤める会社の警備員・菅野俊介は涼一だけ名指しで毎朝挨拶をしてくる。
どうして自分だけ?と訝しく思っていたが、ある日残業して遅くなった時、部長に襲われそうになったところを俊介に助けてもらう。俊介が守りますとその日から帰りを送ってくれるように。
明らかな好意に戸惑うが、爽やかで逞しく魅力的な俊介に警護され大事にされるのことが嬉しく、次第に気持ちも傾いていくが。

ドーベルマンに懐かれてる感じ。(笑)
楽しかった。
結局同じストーカー行為されても、好きな人だったら許せるってことですな。
やー可愛い二人ですね。

今日の一作vol.256 相合い傘で子育て中…しっとりじっくり理解しあおう

売れ残りと罵られながら 人買いに連れられて歩く少年・清二。猫を助けて自動車にはねられ大怪我を負う。猫の飼い主で、元華族の売れっ子小説家の是清が家に連れ帰り助けてくれた。ケガが治るまでと、預かっているという赤ちゃん・伊織の面倒をみながら暮らす内に、清二は傲慢で変わり者の是清を可愛いと思いこのまま一緒に暮らし、ともに一生そばにいるのだと決める。そして3年たち、清二はすくすくと成長し是清よりも大きくなり男らしくなると、なんだか落ち着かないような気持ちになって。


ツンデレー。
お互いにお互いしかいらない。
やっと気持ちを傾けられる相手ができてよかった。
雨の中に消えたくなるというのも、意味深でいい。
そして伊織もかわいい。
でも、タイトルだけ聞くと、可愛らしい話なのかと思いきや、結構ヘビー。
時代背景もあるけどね。
や、面白かったです。

今日の一作vol.255 にわか雨の声…言葉がみえても無口な彼相手だと難しい

にわか雨の声 (ショコラ文庫)

にわか雨の声 (ショコラ文庫)

太陽はある日ロードワークの途中に寄ったカフェでとても美しい人に会う。カフェの店員の彼、時雨は帰り際にキスをしてきた。でも店を一歩でると、太陽はそのことを忘れて、また行こうと思うだけ。
実は時雨は太陽の幼なじみ。
時雨は小さい頃から言葉に色が見え、それをつかんで飲み込むことも出来た。おかげでまわりの本心がわかり、オッドアイのことをからかったりされ、ひとりで過ごすことが多かった。引っ越して隣の家の太陽に出会い、言葉がうまくでてこないなりに、よく考えて出す太陽の言葉はとてもキラキラしていた。瞳のことも綺麗だと誉められ、時雨は太陽が一番になった。
ずっと一緒にいたいと願い太陽も時雨を好きだと確信し体を繋げるにいたるが、太陽は自分か暴走したのだと思い後悔。それに時雨は間違えたのだと思い時雨に関して忘れるようにと太陽にキスをする。

記憶の抜けに疑問を持ち、太陽は再会した時雨に問うが。


共感覚からの超能力ですが、面白かったです。言葉で記憶をとったり返したりすることができるのは面白い発想ですね。
時雨の子ども時代から追って書かれてるので、太陽にすべての気持ちを向けるのもよくわかるけど、もっと話しあえよと言いたい。勝手に判断すんな。
記憶消したら、自分が虚しいだけなのにね。やり方間違えましたね。
なんて、アドバイスをしてくれる人が、もっといればよかったのに。不器用な二人でした。
話は面白く、読み応えありましたが、時雨の屈折したところが、あまり好みの屈折具合ではない(^◇^;)ので、せめてもう少し後日談で楽しくラブラブな二人を読みたかったかな。
太陽のように無口なのが暴走するのは好きです。

今日の一作vol.254 覗く瞳、濡れる心…天然誑しの男前受は質悪い(笑)

覗く瞳、濡れる心<特別版> (ラルーナ文庫)

覗く瞳、濡れる心<特別版> (ラルーナ文庫)

高校、大学とつるんできた桐原と久瀬。大学の時にある日久瀬が桐原を抱きたいと迫る。賭で負け、それから桐原は毎日のように抱かれた。そしてまた突然久瀬は姿を消す。そんな簡単な関係だったのかと傷ついたところへ桐原の父が死に借金を負う。大学を辞めホストをして借金を返すとともに独立して、今や三軒のクラブを経営するまでにのぼりつめた。
順調に過ごしていたところへ再び突然久瀬がやってきて、桐原の家に居着いてしまう。久瀬はフォトグラファーとして名が知られるように。相変わらずな久瀬に桐原はペースを乱されて。

いい男たちがいちゃついてます。
なんだかんだとお互いに惚れてんだからねー。
桐原の店のスタッフたちの気分。
憧れの桐原の素の顔が見れるし、いちゃつきをみれるのは楽しい。
男前な桐原に誰もが嵌まる。
魔性なんだけど、凛としてる。
でも人に好かれることに鈍感なんだから質が悪いっす。

でも楽しい。

今日の一作vol.253 蜜恋エゴイスティック…忠犬わんこは猫かぶりより怖いかも

蜜恋エゴイスティック (幻冬舎ルチル文庫)

蜜恋エゴイスティック (幻冬舎ルチル文庫)

元モデルの希理は年下の翔吾と10年のつきあい。甲斐甲斐しく世話を焼かれ溺愛され体の関係もあるのに頑なに恋人とは認めようとしない。というのも翔吾は希理の異母弟。子どもの頃に弟の存在を知り、一度会ってからは姿だけを追っていた。見る度に格好よくなっていく翔吾に弟に対して以上の想いを抱いてしまう。偶然にも高校で後輩となり話をするように。そして告白される。断ろうと思ったけど、他の子にとられるかもと思ったらたまらず、体だけでいいならと遊びを装う。以来セフレの位置を保つが本当は大好きで仕方ない。
でもこんな関係は翔吾のためにはならないと別れるために上司に協力を頼むが。

わんこ腹黒~!
もうね、理詰め野郎が高圧的に諭してくるのは腹たつけど、わんこ装って囲い込みされると理詰めされてるのに頷いちゃう。
ある意味質悪い。
結局二人とも子どもの時からラブラブなんじゃん。
血が繋がってようが、すでに体の関係からなんだから、さっさと認めちまえ。
希理の抵抗まさに無駄。
シリーズの中でこの作品が一番好きかな。
別に単独でも十分ですが、所々の登場人物のつながりを知ってると楽しい。