ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.312 ジュリエットは男子高校生…王道学園モノだけど大袈裟すぎるしロミジュリ関係なし。

ジュリエットは男子高校生 (プリズム文庫)

ジュリエットは男子高校生 (プリズム文庫)

全寮制の男子校。体育科代表の昴と進学科代表の未生は中等科の時に同室で親友だった。中3の終わりに一年転校して、戻ってきた未生は急激に成長した昴に気付くことなく口説く。手紙を書くから必ず返事をという約束を守ることもなく昴を覚えている様子もない未生に昴は鉄槌し、各科同士の確執もあり敵対することに。
実は中等科のころから昴が大好きで、よからぬ想いを抱いていた未生は、成長し、モロ好みになった昴をものにするために画策する。
両学科の代表が親密になると悲劇が訪れるなどという学校のジンクスなど迷信だとわからせるためにも未生は。。

まるでロミオとジュリエットのよう、ということでのタイトルだと思うのですが、はじめにタイトルをみてどんな話かなと想像したのは、学園祭でジュリエットをやった男子高校生を好きになった、敵対する高校の生徒会長、みたいな話を思いうかべました。
そしたらかけらもロミジュリなんかでてこないので、なんだ?
という拍子抜け。
どたばたや未生や昴の性格などは面白いとは思うのですが、そこまで神的な体力学力があり得る訳なく、BLにしても行き過ぎな感が。
あとイラストが、未生と昴のみでモブも見てみたかったのに、つまらない。

今日の一作vol.311 後宮に星は宿る/後宮に月は満ちる…巻き込まれ人生。何処も後宮は恐ろしい

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

大陸の強国、金椛国の名門・星家。その第二子の遊圭は体が弱く、小柄で少女のように可愛らしいが、書物や勉学を愛する秀才だった。
金椛国では新しく帝が決まると皇后の一族は族滅法により、捕らえられ先帝の陵に生き埋めにさせられる。
そして遊圭の叔母にあたる玲玉は後宮にはいり東宮の皇子を産んでいたため、急逝した先帝に代わり新たに即位した帝とともに皇后にたったのだ。つまり星家は滅せられることになった。
遊圭は偶然にも逃げ切り一人生き残る。
助けてくれた明々と暮らし始めた矢先、明々が後宮へ召し上げられることに。遊圭は明々の妹として女装し共に後宮の女官として勤めることになった。
そこで玄月という美貌の宦官に星家の生き残りだと見破られてしまう。
だが、玄月後宮の中を探り協力すれば見逃し、後宮から出してやるという。
仕方なく言うとおりに手足として働くことになるが。


遊圭が段々と丈夫になり、心持ちも甘やかされたお坊ちゃんから成長し、失敗を重ねてほんとにちょっとずつ大人になっていくのが、よくわかります。
そして玄月や皇帝陽元のそれぞれの思惑やその裏にぐちゃぐちゃと絡んでいる謀が本当にこわいですね。
後宮なんてつくらなきゃいいのに。

いやBLものを好んで読んでいる身としては、BL的な展開として玄月と遊圭もしくは帝と遊圭な関係に進むわけですが、正統派ファンタジーですので。
陰謀を暴いたことでこれから遊圭は出世?して修媛として後宮内官になり、帝の手がついてもおかしくないことに!まあそれはないように玄月が画策してくれるらしいけど、また一波乱ありそうで、次巻がたのしみです。
でも声がわりもしたし背も伸びてきた遊圭なんで、いつまで隠し通せるのか、面白いことになりそうです!

今日の一作vol.310 サラリーマンはおやつに入りますか?…遊び人の初恋と夢見るDTの初恋どっちが重い

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

地方出身の美里はクールビューティーな見かけに反して、純情乙女で心にピンクの宝箱を持っている。上京してもひたすら真面目に働き怖くて冒険もできないでこのままDTで一生をおえるかと思い、それは寂しいと、ネットで探したバーにそれも随分悩んでから足を運んだ。そしてバーで見かけた習志野という男に恋をする。習志野は美里のモロタイプで、恋人になれるとは思ってないが、姿見たさにバーに通う。
半年が過ぎたある日、美里の住むアパートの上の階から火が出て、部屋は全滅、途方に暮れてバーに行くと何と習志野が自分の部屋に泊めてくれるという。
美里は踊りたいくらい大喜びだが顔には出さず、また遊び人の習志野にDTで恋愛初心者だとバレて重く思われるのも嫌で、つい虚勢を張り、自分も遊び人だという振りをする。
そして泊める家賃代わりに習志野は抱かせろと言ってきて。

当人たちにとっては真剣なやり取りなんですけど、傍観者的な読者は色々突っ込みたくなる。
面白いです。
特に美里の心情を表す宝箱が開いたりして、中から天使たちがラッパ吹きながら現れたり、落ち込むと天使が撤退したり、浮上すると慌てて出てきたり、小皿叩いて宴会してたり、やさぐれてヤンキー座りで煙草ふかしてたりと、想像すると可笑しいし、美里の気持ちが手に取るようにわかるので、読みどころです。
習志野は個人的にはふざけんなと言いたい。
美里が遊び人を装っているとはいえ、家賃代わりにいきなり押し倒すとは何事か。
美里を好きなら、もう俺だけしか見るなぐらい言ってやれ。
情けないぞー。
もう割れ鍋に綴じ蓋ですな。この2人。

今日の一作vol.309 ピアノマンは今宵も不機嫌…男たちの粋な世界を垣間見た

ピアノマンは今宵も不機嫌 (キャラ文庫)

ピアノマンは今宵も不機嫌 (キャラ文庫)

広告会社に勤める史也はある日取引先の人に紹介されジャズバーを訪れる。その時ピアノをひいていたのは無愛想で精悍な見た目の医学生の泰介。
初めて聴いたそのピアノの音に惹かれて、史也はバーに通うように。
絡まれていたところを助けてくれたこともあり、泰介自身のことも気になり、天涯孤独で工事現場のバイトとかけもちをして学費をかせいでいるという泰介に、声をかけ応援するように。
そんな中、前彼と再会しやり直したいと言われ史也もその気になるが、些細なことから無理だと感じて落ち込む史也を身体ごと慰めてくれたのは泰介だった。
史也は泰介に気持ちを移すが、泰介の気持ちを確かめようとはできなくて。


恋愛と仕事と、絡み合ってどう生かしていくのかというような話、でしょうか。
それがとても自然に史也がクリアしていくのがよかった。よかったというのか、水原さんうまいなあと思いました。
恋愛のみの話は久しぶり。水原さんもあとがきで書いてましたが。
史也と泰介はよきパートナーに出会えてよかった。お互いに足りない部分を補う二人で。
史也と佳彦は史也が我慢しないと続かない関係だろうから、別れてよかった。
未練たらしくやってきてもまた泰介に追い返されるだけだしな。
年取っても二人でバーに通うんだろうなー。
いいなあ渋い男たちって。

今日の一作vol.308 溺愛彼氏と小さな天使…癒やされたいです

溺愛彼氏と小さな天使 (幻冬舎ルチル文庫)

溺愛彼氏と小さな天使 (幻冬舎ルチル文庫)

上司の執拗なパワハラに心身疲れはて会社を辞めて実家に帰った稔里。両親に心配かけたくないと事情は話してない。久しぶりに帰った実家の隣でカフェを営む元モデルの瑛吾とその甥っ子の聖と出会う。カフェを手伝ったり聖の世話をするうちに癒やされ、そして瑛吾とも気持ちを通わせるように。
そんな時、元上司と偶然会ってしまう。そして会社を今辞めさせられるらしくそれを稔里のせいにしてきたのだった。ストーカー的なメールや電話に、稔里は皆に迷惑かけたくないと、ひとりで解決しようとするが。


稔里と瑛吾と2人とも傷ついたもの同士で、お互いを想いあえるからこそ惹かれあったんですよねー。内容はもう読んでもらえれば、ほうっと満足のため息でしょう。
ただ元モデル仲間のミカの登場は特にいらないかなー。
唐突すぎるので、何か前置きをしてからの登場ならミカの嫌みとかも、ミカの子供っぽいとこも許せるけど、なんかわざわざ出させないで電話とかでもいいような。
ま、それよりも聖くんに癒やされます。
幼稚園くらいまでよねー。天使なのは。
久しぶりの西門さんのお話。好きな作家さんです。

今日の一作vol.307 記憶にない恋…大味すぎる

記憶にない恋 (ショコラ文庫)

記憶にない恋 (ショコラ文庫)

興信所の調査員として勤める土方は自分の両親たちの経験から浮気を許さず、離婚を推奨することが多かった。
新人のクニオと、ある夫婦の浮気調査に向かうことになるが、そのクニオは実は未来から来た工作員だと告げられる。そしてこの夫婦を離婚させると未来にて人類の危機にもなるという。
土方は信じられないとは思いつつ色々証拠をみせられクニオの任務に協力することになるが。


設定とかはいいんです。
ただあんまりにも簡単に恋に発展してくなあと。クニオにとっては何回目かの土方へのチャレンジで、土方に惹かれてしまいました、というのはわかるけど、過程が独白めいたものであんまり感情が読み手に伝わらない。
土方もクニオのどんなところに惹かれたのかは書いてますが、なんかはいりこめません。
シナリオを読んでいるみたいな感覚です。
むしろクニオの独白がない方がよかったのかも。
ごめんなさい。「君の名は」と「時をかける少女」のあらすじかいつまんだ感じの印象しかないです。
なんならもっと最初っからエッチしちゃってどうしようから始めてみるほうがBLらしく面白かったのかな。

今日の一作vol.306 王と緋の獣人…朱虎をもっとメインに出してガンガン攻めて欲しかった!

王と緋の獣人 (ショコラ文庫)

王と緋の獣人 (ショコラ文庫)

人間と獣人がいる世界。風樹国では共存を認めてはいるが、まだ獣人に対しての扱いは奴隷よりも低い。そんな国の第二王子、碧泉は、王位継承の証である翡翠と藍の瞳を持っていた。
碧泉は成人を迎えるまで城の外に出てはならなかったが、兄王子の青磁のために外にでて、賊に捕まり封印の剣により王位継承を封印されさらに売られようとした。だが子供の頃に出会い共に暮らしてきた獣人の朱虎に救い出される。
王位継承を出来るのは藍と翡翠の瞳を持つ者でないとならない。それ以外は王としての役目を果たせない訳があった。
奪われた封印の剣を探し出し自分か兄が封印を戻すしかないのだった。
そして6年がたち、とうとう父である王か亡くなり、風樹国が窮地にたたされるが。


ファンタジーとしてはよくできた設定です。封印の剣などのアイテムは大好きです。ですが、これはBLなんで朱虎と碧泉のラブがありそちらをメインにと考えるなら物足りない気が。
朱虎が碧泉を好きになるのはわかるし、碧泉も根っからの王子なんで守られて愛されるは当たり前だし、ずっと一緒でカッコイよく成長した朱虎に心も体も惹かれない訳ないのです。
だがしかし、2人がちゃんと気持ちを伝えあってないし、発情期でやっちまって気持ちは通じてるとは思うけど、朱虎の登場シーンがいつもいきなりだし、朱虎の気持ちより結局全ての悪意の元である青磁の気持ちのほうが詳しくわかるという、恋愛事情は4割程度の話に。エッチシーンはあるけれどねー。
あとラストにも、もし后を目処って子供を作らないとならないとしても、抱かれたいのはお前だけだ、と碧泉が朱虎に言いますが、それはいやだなー。
なんか救いの道を作ってほしかったなー。
それこそ翡翠と藍の瞳をもつ子を見付けるとか、封印の剣で代々王位を授けられるようにするとかさー。
ちょい不満足です。