今日の一作vol.224 人魚姫の真珠…絵が自然と浮かび上がってくる世界観。でも孤島の因習はいづこも怖いものですよね。
- 作者: 華藤えれな
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2017/03/25
- メディア: 文庫
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だが時代とともに風習も変わり、メロウを侯爵が愛人とすることもなくなり、またメロウが見つけだす天然真珠を侯爵家に隠して闇売買したりと島中もはや侯爵家を邪魔にするように。
そして新しく侯爵家を継いだリアムは島にやってきてすぐ嵐にあい海に。それを助けたのは純粋な神子の血筋ではないもののメロウとしての力を持つ水凪。だが、水凪は親にも見捨てられ、わずかな食料や小銭とひきかえ真珠とそしてその体を島の男達にいいようにされていた。穢らわしい淫売だと言われていたので、リアムを助けたのは自分だとはいいだせなくて。
人魚姫をBL風にうまくアレンジしてあります。
二十歳までに愛する人と愛し合わないと海の泡になるとか、真珠を飲むと生きられるとか色々条件が必要ですが。
でもこの話はめでたしめでたしです。
途中水凪がいじめられるのとか陵辱されるのとかはあんまり読みたくないですけど、それも水凪の純粋さを表すには必要なんで辛い。
リアムも高潔なお人ですな。
もうちょっと周りに出てくる人が良い人が多ければいいのに。
いじめる人ばかりで、ちょい、ラストはハッピーエンドなんだろうなと思っていても辛すぎ。
まあ物語、物語。
真珠が魔法の薬になっているのもこの話ならではのアイテムですね。ちょっと美味しそうなかんじでした。