ゆかのんかズよみごと!!

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今日の一作vol.393 王妃ベルタの肖像…人生何がどうなるのか予測不可能な典型。

 

王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)

王妃ベルタの肖像 (富士見L文庫)

 
王妃ベルタの肖像 2 (富士見L文庫)

王妃ベルタの肖像 2 (富士見L文庫)

 

アウスタリア王国の国王ハロルドと正妃マルグリッドとの間には血が近いせいか死産流産を繰り返し、跡継ぎがなかった。マルグリッドの差し出す貴族の娘や侍女たちにも子ができず、第二妃として南部の辺境領を牛耳るカシャ一族の嫡女ベルタを王家に迎えることになる。

政略結婚であり、ベルタもハロルドも役目を果たすということに異議はなく、婚姻の儀式の三夜ののちは特に交流はなくすぎたが、間もなくベルタが身ごもっていることがわかる。

やがて王子が生まれ、ベルタとハロルドの間に変化が。そして正妃であるマルグリッドは心を病んでいくが生国からの陰謀に加担し、ベルタを排除しようとするが。

 

 

淡々とベルタの心境を、語っていくのですが、何とも味わい深い。ベルタがハロルドを意識し始め、ハロルドも惹かれていって、でもマルグリッドにも愛はあって。

ハロルドの事情、正室の子ではないことなど色々複雑な背景もかかえ、また王室ならではの常識とか、それを受け入れざるをえない状況とか。

とにかく読み応えあるし、一巻、二巻と少しずつ人間らしくなっていくのが嬉しい。

権力争いや、後宮ならではの陰湿さや出身による差別や派閥はあるのだけど、なんなくベルタやハロルドは解決してしまうのが小気味いいです。

もう一巻くらい出して、南部問題と何人か子どももできたことでの二人の生き方

読んでみたいです。

 

コミックスも以下のようにでてて、タイトルはアレですが、イメージはあってるのではないでしょうか?