ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.316 犬も送れば恋に落ちる…犬好きモフ好きが妖怪でもイケメンの犬に迫られたらイチコロよ

犬も送れば恋に落ちる (ショコラ文庫)

犬も送れば恋に落ちる (ショコラ文庫)

大学の時に趣味の山歩きの途中迷った陽向に、なわばりの山で迷った人間を麓まで送る代わりにお礼を貰う送り犬の野分は出会う。大の犬好きの陽向は大型犬の見た目の野分を怖がりもせずにかまい倒す。今まで恐れられるだけだった野分はそんな陽向と離れがたくなるが、人間と妖怪では住む世界が違うと諦め、陽向を麓まで送り、礼としてふたりで過ごした記憶を貰う。
その後陽向はすっかりと忘れ十二年が過ぎ、カフェを経営の傍ら趣味で山歩きをしていた。
野分はやはり陽向のことが忘れられないと、陽向のくれたビスケットの包みを頼りに陽向を探し、やっと巡りあい、犬姿を見せて釣り、マーキングしてしまう。そのまま陽向のカフェに居座り続けてイケメンウェイターとして働くが、ある日謎の老人たちがやってきて。


陽向の犬好き度がヤバいです。
エッチのときと犬耳と尻尾つきのが燃えてしまうというモフ好き。
だからこそ野分に会った時に有り得ないくらいの構い方で、野分が恋しちゃうのだけど。
まあ結局妖怪だから、子供もいずれ授かるだろうし、老人たち送り犬の現統領以下も見守る姿勢なのだわー。
話は単純バタバタですが、面白かった。
やや野分がチャラくなりすぎなのがなー。
時代錯誤のとこがよかったのに、すぐ現代に慣れちゃうのはちょっと。
颪ちゃんがかわいい!
子ども姿のイラストも見たかった。

今日の一作vol.315 鬼の棲む国…日本昔話+ファンタジー+美女と野獣

鬼の棲む国 (B-PRINCE文庫)

鬼の棲む国 (B-PRINCE文庫)

屈強な肉体を持ち圧倒的影響力から鬼と譬えられる強大な国、北の国。
以南の国々で十年ごとに1人、王族から北の国へといわば人質を送りその代わりに攻め込むのはやめるという協定を結んでいた。そして東の国が今年その役を負う。
東の国の第四王子のカナギは、昔落馬で負った怪我のために歩くのも杖を借りていた。そんな自分が出来ることは人質に選ばれること、と、常から北の国の言葉を学び様々な勉強をする。その努力もあって、やってきた北の国の使者・第六王子であり陸将軍でもあるサスナに選ばれ、北の国へと向かう。
そしてやってきた北の国では思っていた酷い扱いはされず、サスナに様々な贈り物をされたり、身体を求められても恋人のように愛されたりと、戸惑うばかり。
次第にサスナに心を開いていくが、それが恋情ゆえと思ってはいけないと、カナギは自分を自分で抑えこみ素直になれず。

鬼に食われる覚悟だったのに、思ってたのと違う、とカナギは混乱するのはもちろんですよね。
それに気付かずサスナは想いを伝えることもなくとりあえずプレゼント作戦。
それで辛抱たまらずいたしてしまうわけですが!そりゃカナギが抵抗できるわけもないのに、受け入れられたともうサスナは恋人気分。まったく。大きな鬼さんが右往左往してるのがなんだか可愛い。
所々に昔話のベースがあるけど、うまくミックスしてて、新人さんなのに巧みな方だと思いました。
イラストも闇丸さんなのにいつにない倭国っぽい衣装のせいなのか、武骨さがなくカナギが美しくて良かった。

今日の一作vol.314 恋の花咲く…本当の恋をしたことない同士の不器用恋愛。すれ違いを細やかに書いているとみるか噛み砕きすぎて苛立ち煽りすぎとみるか。

恋の花咲く (幻冬舎ルチル文庫)

恋の花咲く (幻冬舎ルチル文庫)

版画家の伊織は酔った勢いで、顔見知りだが苦手な相手である駒澤と一夜を共にしてしまう。
記憶は曖昧だが自分から誘った形だったのは思い出し、逃げる。
駒澤はあらゆる手を使い伊織を捕まえ、恋人になったのだから付き合うんだとまるめこむ。
伊織は母に捨てられた生い立ちから、結婚はしない、仕事の邪魔をしたらすぐ別れるという条件のもとつきあい始める女たらしとして有名で、駒澤との一夜の前に別れたと自分では思っていた女につきまとわれて困っていた。
駒澤にそのトラブルを解決してもらったり、意外にも一緒にいて楽なことに気付いたりと、次第に伊織は心を開いていくが。

伊織の周りにはいっぱい手を差し伸べてくれる人はいるのに、子どもの頃からその容姿とともに悪目立ちしていた伊織は素直にそれに甘えられない。
そして駒澤も感情というのが一部欠落したような人間。
その二人が関係を持ったことで、変化していく。
その過程がすんごく細かに書かれていて、逐一納得はするけれど、そこまではいらないと思う。
伊織の女からの逃げもイライラする。
二股されてそれを持ち出したくはなくて逃げるだけにしてるとか、誰の為にもならない。
どうして伊織がそうしたのかは書かれてはいるけど、そんなに共感できる理由じゃないし。
しかも椎崎さんの追い詰めはいつも辛いことが多いので、手放しでラスト良かった、とは思えない。
お話は良いのにね。

今日の一作vol.313 ずっとここできみと…幼なじみの青春ラブ。変わらない想いって何だか羨ましい

同じ病院で生まれて高校までずっと一緒の理玖と征矢。高校入学直前に両親を事故で亡くした理玖。当時は食事もとれないような有り様だったが3年の今では落ち着きを取り戻している。それもすべては征矢の至れり尽くせりの結果だった。
イケメンで秀才の征矢は理玖をかまい倒すが、それも大学進学までのこと、征矢の成績なら東京へ出るのだろうと思い、理玖はもう一緒にいられるのは今だけと、甘えさせてもらっていた。
しかし征矢は理玖と同じ地元の大学へ行くつもりだと聞き、嬉しい反面征矢の為にはならないと距離をおく。
途端に寂しさがつのり、こんな気持ちは変だ、友達への気持ちじゃなく恋愛なのだと自覚し、征矢といた女の子に嫉妬して本音を零してしまうが。


お互いに好き同士の幼なじみ。
お互いに相手のことを想って、告白したら友達にすら戻れないかもと我慢したり。
ずっと一緒にいたいから。
それが2人にとっては一番なのです。
むしろ征矢のほうが理玖を好きで好きで、家族にも理玖に対して犯罪を犯してしまうんじゃとアヤシマレルほど理玖一辺倒。
今流行りのハリネズミの理玖を、かまい倒して自分だけにお腹みせてもらうようにあの手この手で仕向けている征矢という図が浮かんできます。
そんなにアップダウンのある話ではないですが、じわじわとくる2人の一生懸命な姿が微笑ましいし、理玖のずっとこのままでいたいという意味の中に、理玖とずっといたいというのはもちろん、高校生時代の終わり・学校や友達と大したことでなくても笑ったりぼうっとしたりする日常のままでいたいというのが、ぐっときました。
両親が突然いなくなるという事態になった理玖だからこそ、変わってほしくない時間・場所・関係性。
ずっとここできみと、というタイトルはまさに理玖と征矢の気持ちそのものですね。
わりと征矢が天然の腹黒なんで、いい味だしてる。征矢目線の話も読みたいな。

今日の一作vol.312 ジュリエットは男子高校生…王道学園モノだけど大袈裟すぎるしロミジュリ関係なし。

ジュリエットは男子高校生 (プリズム文庫)

ジュリエットは男子高校生 (プリズム文庫)

全寮制の男子校。体育科代表の昴と進学科代表の未生は中等科の時に同室で親友だった。中3の終わりに一年転校して、戻ってきた未生は急激に成長した昴に気付くことなく口説く。手紙を書くから必ず返事をという約束を守ることもなく昴を覚えている様子もない未生に昴は鉄槌し、各科同士の確執もあり敵対することに。
実は中等科のころから昴が大好きで、よからぬ想いを抱いていた未生は、成長し、モロ好みになった昴をものにするために画策する。
両学科の代表が親密になると悲劇が訪れるなどという学校のジンクスなど迷信だとわからせるためにも未生は。。

まるでロミオとジュリエットのよう、ということでのタイトルだと思うのですが、はじめにタイトルをみてどんな話かなと想像したのは、学園祭でジュリエットをやった男子高校生を好きになった、敵対する高校の生徒会長、みたいな話を思いうかべました。
そしたらかけらもロミジュリなんかでてこないので、なんだ?
という拍子抜け。
どたばたや未生や昴の性格などは面白いとは思うのですが、そこまで神的な体力学力があり得る訳なく、BLにしても行き過ぎな感が。
あとイラストが、未生と昴のみでモブも見てみたかったのに、つまらない。

今日の一作vol.311 後宮に星は宿る/後宮に月は満ちる…巻き込まれ人生。何処も後宮は恐ろしい

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に星は宿る 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

後宮に月は満ちる 金椛国春秋 (角川文庫)

大陸の強国、金椛国の名門・星家。その第二子の遊圭は体が弱く、小柄で少女のように可愛らしいが、書物や勉学を愛する秀才だった。
金椛国では新しく帝が決まると皇后の一族は族滅法により、捕らえられ先帝の陵に生き埋めにさせられる。
そして遊圭の叔母にあたる玲玉は後宮にはいり東宮の皇子を産んでいたため、急逝した先帝に代わり新たに即位した帝とともに皇后にたったのだ。つまり星家は滅せられることになった。
遊圭は偶然にも逃げ切り一人生き残る。
助けてくれた明々と暮らし始めた矢先、明々が後宮へ召し上げられることに。遊圭は明々の妹として女装し共に後宮の女官として勤めることになった。
そこで玄月という美貌の宦官に星家の生き残りだと見破られてしまう。
だが、玄月後宮の中を探り協力すれば見逃し、後宮から出してやるという。
仕方なく言うとおりに手足として働くことになるが。


遊圭が段々と丈夫になり、心持ちも甘やかされたお坊ちゃんから成長し、失敗を重ねてほんとにちょっとずつ大人になっていくのが、よくわかります。
そして玄月や皇帝陽元のそれぞれの思惑やその裏にぐちゃぐちゃと絡んでいる謀が本当にこわいですね。
後宮なんてつくらなきゃいいのに。

いやBLものを好んで読んでいる身としては、BL的な展開として玄月と遊圭もしくは帝と遊圭な関係に進むわけですが、正統派ファンタジーですので。
陰謀を暴いたことでこれから遊圭は出世?して修媛として後宮内官になり、帝の手がついてもおかしくないことに!まあそれはないように玄月が画策してくれるらしいけど、また一波乱ありそうで、次巻がたのしみです。
でも声がわりもしたし背も伸びてきた遊圭なんで、いつまで隠し通せるのか、面白いことになりそうです!

今日の一作vol.310 サラリーマンはおやつに入りますか?…遊び人の初恋と夢見るDTの初恋どっちが重い

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

サラリーマンはおやつに入りますか? (二見書房 シャレード文庫)

地方出身の美里はクールビューティーな見かけに反して、純情乙女で心にピンクの宝箱を持っている。上京してもひたすら真面目に働き怖くて冒険もできないでこのままDTで一生をおえるかと思い、それは寂しいと、ネットで探したバーにそれも随分悩んでから足を運んだ。そしてバーで見かけた習志野という男に恋をする。習志野は美里のモロタイプで、恋人になれるとは思ってないが、姿見たさにバーに通う。
半年が過ぎたある日、美里の住むアパートの上の階から火が出て、部屋は全滅、途方に暮れてバーに行くと何と習志野が自分の部屋に泊めてくれるという。
美里は踊りたいくらい大喜びだが顔には出さず、また遊び人の習志野にDTで恋愛初心者だとバレて重く思われるのも嫌で、つい虚勢を張り、自分も遊び人だという振りをする。
そして泊める家賃代わりに習志野は抱かせろと言ってきて。

当人たちにとっては真剣なやり取りなんですけど、傍観者的な読者は色々突っ込みたくなる。
面白いです。
特に美里の心情を表す宝箱が開いたりして、中から天使たちがラッパ吹きながら現れたり、落ち込むと天使が撤退したり、浮上すると慌てて出てきたり、小皿叩いて宴会してたり、やさぐれてヤンキー座りで煙草ふかしてたりと、想像すると可笑しいし、美里の気持ちが手に取るようにわかるので、読みどころです。
習志野は個人的にはふざけんなと言いたい。
美里が遊び人を装っているとはいえ、家賃代わりにいきなり押し倒すとは何事か。
美里を好きなら、もう俺だけしか見るなぐらい言ってやれ。
情けないぞー。
もう割れ鍋に綴じ蓋ですな。この2人。