ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.391  うちの犬が子ネコ拾いました。…癒し!

 

小説家の主に飼われている大型犬ペリタスは、ある日散歩の途中で子ネコ2匹を拾った。主に内緒で連れ帰り隠れて面倒をみていたが、やんちゃな2匹はあっさりとみつかり結局2匹とも飼われることになったが。

小さき者に振り回される日々だがそれが嫌ではないペリタスたちの生活のお話の3巻

 

全編カラーで、ペリタスと2匹、キップとマロの可愛い仕草に癒やされます。

犬とネコ、こんなふうに会話してるのかなーとか、ついニコニコしてしまいます。

 

今日の一作vol.390 ラブセメタリー…神は何故このような性癖を与えたのか

 

ラブセメタリー

ラブセメタリー

  • 作者:木原 音瀬
  • 発売日: 2017/08/25
  • メディア: 単行本
 

小編からなる。

精神科で勤める看護師はゲイであるが、院長も認知したうえで働いていた。ある日かなりタイプのサラリーマンが診察にやってきた。

だが診察の内容が、犯罪を犯さないよう性欲を押さえてほしいとのこと。彼は小児性愛者だった。幾ばくか過ぎたあと、道端で酔って寝ていた彼を介抱する。その後何回か合ううちに欲がでて、彼と付き合えるのでは、自分と付き合えば小児性愛など忘れるのではと。

だが看護師であるとばれて軽蔑され、ゲイの友人になぐさめられる。

 

その友人はルポライターで、以前ホームレスの老人を取材していた。老人は元小学校教師で、良い先生の裏の顔は生徒に悪戯を繰り返す男だった。

サラリーマンの男の甥は編集の仕事のために、そのルポの内容を教えて欲しいと連絡。

話を聞き、その老人の知り合いにも会い、甥は悩む。その性癖さえなければ良い人なのだ。叔父に子供としたいか?と聞いてみて、激しく動揺する叔父に、初めて自分の叔父に対しての認識を改める。

幼いころの甥をあいしていた彼は、知られたことに、甥との関係を疎遠にする。

それでも性癖は変えられず、新たに愛情を注ぐ対象をみつけるのだった。

 

あらすじは上手くまとめられなかったのですが、こんな話が何篇かありますと参考にしてください。

重いです。

小児性愛は難しいですね。

実際に行為はしてはいけない。でも、子どもしか愛せないのならどうしたらいいのか。

子どもは成長する。成長してしまえば、愛は薄れてしまう。

子どもも愛してくれたとしても、成長して愛してもらえなくなったら、子ども時代の想いそのものを失うのと同じ。その後の人格形成に支障がありますよね。

これは小説ですが、実際に苦しんでいる人も多くいるでしょう。

一辺倒な感想しかいえませんが、簡単に犯罪行為へと走る人もいれば、苦しんで苦しんで耐えている人もいるだろうと。

理解はするけど容認はできない。

考えさせられる話でした。

 

 

 

今日の一作vol.389  宮廷神官物語…真実は己の目と心でよく見極めろ。慧眼はそれぞれが持つ心の目。

 

麗虎国に伝わる第三の眼を持つ慧眼児。捨て子だった天青をある日都から王命により宮廷神官の鶏冠がやってきて天青を慧眼児だとして連れていく。だが、二人は命を狙われ、天青の幼馴染の曹鉄に守られながら都へと向かう。

何とか都につくと、天青は神官見習いとして鶏冠に学び、慧眼児としても力を発現させていく。

大神官の選定や王子の立太子問題など問題があとから湧いてくる。

天青の成長と鶏冠との情愛と信頼が幾多の危機と陰謀を乗り越えていく。

 

シリーズ最終巻。

天青も成長し、鶏冠も苑遊の執着じみた愛に翻弄されましたが、人徳というものか、お咎めなし(身分詐称)にもなり、一件落着。

どういう経緯なのかは読んでワクワクハラハラしてください。

 

榎田さんはBLでもたくさん書いてらっしゃるので当然入ってくるだろうと思ってました、鶏冠と苑遊(神官仲間だったが鶏冠を欲するあまりに道を誤る)の関係は妖しくてよいです。

巻末の終章で、何年後かの話がありました。

もちろんそれで終わっても面白いですが、書き下ろし続編も出してくださると決まったので、この終章が生きてくるでしょうね。

櫻嵐の相手は曹鉄じゃないかなとか、天青の先生してるとこをもっとみたい、とか。

とりあえず、一旦終了ですが、また読み返したくなる話です。

面白かった!

 

今日の一作vol.388 流浪の月…事実と真実は違う。二人でいることを責められるなら一緒にいられる所へ行こう

 

【2020年本屋大賞 大賞受賞作】流浪の月

【2020年本屋大賞 大賞受賞作】流浪の月

  • 作者:凪良 ゆう
  • 発売日: 2019/08/29
  • メディア: 単行本
 

やや常識外れで自由な両親に育てられた更紗は、父親が病気で死んだ後、母は男と蒸発してしまい、小4で伯母にひきとられた。

伯母の家には中学生の従兄弟がいて、夜中更紗の部屋にやってくる。

誰にも何も言えずに眠れぬ日々、公園でロリコンだと言われている男の人に、ある雨の日ついていった。

大学生の文は綺麗な人で優しく、更紗の気ままな行動に何を言うでもなく、受け入れてくれた。安心して眠ることができ、更紗は捜索願が出されても帰ることはなかった。

2ヶ月が過ぎ外に出かけあっという間に見つけられ更紗は誘拐事件の被害者、文は加害者として捕まった。

 

十五年が過ぎ、更紗は事件の被害者としていつも見られている。文は何もしていない。何度も言ってもストックホルム症候群だと言われて聞いてもらえない。それなのに世間は同情と好奇心で更紗をほっといてくれない。

同居している恋人はいるがセックスは苦手。結婚して子どもを持つことも想像できないのに、いつの間にか婚約者になっている。

そんなある日カフェで文を見つけた更紗。

時間を作ってマスターをしている文を見に行く。更紗だと気づいているのか。

不審な行動に恋人の亮は怪しみ更紗に暴力をふるう。逃げこんだ更紗を文は当然のように受け入れてくれて。

恋をしているわけでもない。でも一緒にいたい。

それだけなのに、二人がいることは非難される。安住の地はあるのだろうか。

 

 

本屋大賞受賞おめでとうございます。

夏に出版されて即日購入し、流し読みし、じっくり読むにはその時には気合いが必要と、放置してしまいました。

コロナの為時間はあるので、ためてある本を読んでおりますが、改めて読んでもズシンとくる話です。

更紗は文によって救われ、文も更紗だけが理解者で。

そう理解者。親友。心の友。解放者。

名をつけなくてはならないのなら、そんな感じ。

更紗の人生に関係する人々もそれぞれ色んな事情があるのが見えてくるのが凄いですね。

凪良さんの話は広がりがありますね。

BL畑出身の作家さん(大ファン)ですが、この頃は違う話も多く、前にも「神様のビオトープ」で感想書きましたが、色々あっても主人公が心強く持って生きていく、ラストの読後感がほうっとするのが私は好きです。

BLの話でも、ちゃんと恋愛を生き方を書いてくれるので、男同士だからということはあまり気になりませんので、興味がある方はぜひ。

この流浪の月は犯罪の被害者と加害者になってしまったあと、世間と当事者との何ともいえない社会の理不尽さが辛い。

耐えられないこともあるのに、更紗の強さに称賛を。

文の受容に感謝を。

ふたりならどこへも行ける。そう見守っていきたい。

 

 

 

今日の一作vol.387 偽りの王子と黒鋼の騎士┅人は変われる。愛を知らずに、愛が欲しいと懸命に生きるから。

 

【Amazon.co.jp 限定】偽りの王子と黒鋼の騎士(ペーパー付き) (CROSS NOVELS)

【Amazon.co.jp 限定】偽りの王子と黒鋼の騎士(ペーパー付き) (CROSS NOVELS)

  • 作者:六青 みつみ
  • 出版社/メーカー: 笠倉出版社
  • 発売日: 2020/01/31
  • メディア: 単行本
 

ローレンシア王国の王子・エリュシオンは姿だけは麗しいが、無慈悲で無知であった。誰もが諾としか言えない中、ただひとり護衛騎士のグレイル・ラドウィックは理不尽な命令には否と答えていた。それでも罰せられないのはグレイルが、大国ロッドバルドからの親善大使の一人でローレンシア国王から王子の護衛を頼まれたからだった。

ローレンシアの貴族たちや役人の堕落ぶりはひどいもので、賄賂や税の上前をはねるのは当たり前で、庶民は苦しい生活を送っていた。そんな中エリュシオンの17歳の誕生祝賀会が盛大に行われた。だがエリュシオンはすぐに飽き、誰かが言った『魔法の水鏡』を見に行く。それは選ばれた者の前に現れどんな願いをも叶えてくれるという。

そして、エリュシオンとグレイルの前に水鏡が現れた。

願いを唱え城に帰ると、エリュシオンは偽物の王子と言われ追放されてしまう。生まれたときにすり替えられたのだと。

何が何だかわからないまま、エリュシオンは街をさ迷い、幾人もの男たちに凌辱され続けた。

グレイルには関わりのないお家騒動だが、本物の王子と会い、エリュシオンがなぜああも

無知なのか、傀儡とするべく仕組まれ育てられたからだとわかり、どうしているかと気になった。そして街で偶然ボロボロのエリュシオンを見つけて助け、自分の下僕として雇用することにした。シオンと名乗らせ言葉つかいから掃除のしかたなどを教え込み、シオン自ら様々なことに気付くよう導いた。

徐々にシオンは自分が何も知らないとわかり、そしてグレイルの側にずっといることが望みとなる。だがその美貌ゆえ、拐われて売られ王子時代にしつこくつきまとつていた男に監禁され愛人にさせられる。

シオンはグレイルの元に戻りたくて機会を伺い逃げるが、気付くと都から遥か南部。

助けてくれたリーアとその家族に狩りや作物の取り方薬草の見分け方など生きる術を教えてもらう。そうして一年近くたち都にもどろうとしていた矢先、ロッドバルド国が攻めこみローレンシアは支配下に下ったと知らされる。リーアたちがロッドバルド軍に連行されたと聞き、都へ行く前に安否を知りたくて連れていかれたというエリダス砦へ行くが、またもならず者達に襲われたところをグレイルに助けられた。

そしてグレイルがロッドバルドへ戻るのにシオンも一緒に行くことに。

そしてロッドバルド国王一家に気に入られ、グレイルの家で書生として学びながら、皇子皇女らの相手をすることに。

物を知り、変わっていくシオン。グレイルの役にたちたい、嫌われていてもいいから。と切なく想うように。

そしてグレイルもシオンを手ばなすことができない自分の気持ちに気付いて。。

 

 

読みごたえたっぷりの、六青さんらしいお話しでした。主人公がドン底を見るというのはお決まりです。

そして相手が唐変木というか、わりとダメダメな人が多い。グレイルも人間的にはいい人で、騎士としても優れてはいるけど、武骨過ぎてシオンを好きだという自分の気持ちにすら気付かず、でも取ってしまう態度が変すぎてシオンを傷つけている。ヘタレ。

久々に、頑張るシオンに、読みながらエールを送りました。

帯やあらすじには凄く魔法の水鏡を推してるけど、あまり内容に影響与えてはないです。

むしろ何の為に水鏡のアイテムが必要なのだろうと思いました。

運命変わった?そうは思わないなー。

水鏡なくてもシオンが偽王子だったら交代劇はあるだろうし、グレイルが密偵だったからロッドバルドもすんなりローレンシアを制圧できたんだろうし。

どっちにしろシオンは被害者よね。

勝手に入れ換えられて、教育されずに愛されずに放置されてそれで王子として駄目だといわれても。

このぐわっとくる感情。六青さんの話はホントぐるぐるします。

でもラストは幸せになれると思うので読むんですけど、それまでが辛い。

背景に色んな人間関係が透けて見えるけど、それはまた同人のほうで発表するのてしょうか。

まあ、本編で単行本3冊分のボリューム。

よく一冊に仕上げたと思います。400P ‼️

そして稲荷家さんのイラストの素晴らしいこと!表紙の偏光ラメパール加工が凄いいい!

このイラストだけでも満足感はあります!

 

 

今日の一作vol.386 鬼の王と契れ···鬼を愛してはいけませんか?異種恋愛は数々あれど、鬼になるかどうか究極の選択を迫られる今作はただのBLとあなどってはいけない。

 

鬼の王と契れ (キャラ文庫)

鬼の王と契れ (キャラ文庫)

 
鬼の王を呼べ 鬼の王と契れ2 (キャラ文庫)

鬼の王を呼べ 鬼の王と契れ2 (キャラ文庫)

 

 

鬼の王に誓え: 鬼の王と契れ3 (キャラ文庫)

鬼の王に誓え: 鬼の王と契れ3 (キャラ文庫)

 

矢背一族は平安時代から続く鬼使いの家系。始祖は陰陽師とその妻になった雌鬼とのあいだに生まれた矢背秀守で、鬼の血が混ざっているからか、不可視の鬼を見、鬼と使役契約を結べる。その力を使い、陰から国を支え、一族は繁栄してきたが、段々と鬼の血が薄れ、鬼使いが生まれるのもめったになくなった。

そんな中、数年ぶりに鬼使いとして生まれた鴇守は体も弱く鬼を怖がり泣いてばかり。でも鬼にはモテモテで、鴇守に契約してもらいたい鬼が寄ってくるという悪循環。そんな鴇守を生まれたときからストーカーしていた鬼、夜刀は、鴇守になんとか近づくために、大鬼の姿を10センチの小鬼に縮めて鴇守が5才の時にやっと泣かずに側に寄ることが出来た。以来片時も離れずに、15才の時に、正式に鴇守は夜刀と契約を結ぶ。そして鬼使いとしての仕事をするのだが、力の弱い鴇守たちは失せ物探しのような仕事しかしてなかった。鴇守は暗殺や仕事の報酬として鬼に人間を与えるといことがどうしても嫌だったのだ。

しかしある時、徐々に体を大きくさせていた夜刀は鴇守に意見する退魔師に対する為に本来の姿を現してしまい、矢背の当主にバレ、鴇守は次期当主とされてしまう。

鬼使いとして最弱なのに、最強の鬼を使役している鴇守は悩むが、そこへ命を狙う死んだとされていた最強の鬼使いが現れ、鴇守は鬼下しを飲まされてしまう。鬼下しは鬼使いの力を無くしてしまう。そうなれば夜刀の姿も見えず使役も出来ない。苦しみのなか、鴇守は夜刀を愛していることに気付くのだった。

 

1巻は夜刀と鴇守が愛し合うことへ道のり。

2巻は鬼使いとしての鴇守の力の発動への道のりと、夜刀が凄い鬼だったということ。

3巻は鴇守と夜刀がずっと一緒にい続けるためには。そして封印されていた先祖の怨霊を治めるためにも鬼になることを決断する鴇守の、夜刀への愛。

が書かれています。最初はよくある異種恋愛かと読み進めてました。

弱いながらも自分の気持ちを自分でわかろうとする鴇守。そして赤ん坊の時から鴇守一筋の夜刀は鬼の業かなとどんどん惹き込まれていきました。

あらすじを書くのも苦労しましたが、色んな心理が書かれてるので、是非読んでほしいですね。ラストはぐっときます。

えっちは割と濃いです。

イラストの石田さんもわりとリアルタッチなんでファンタジーなイメージが好きな方は無理には勧めませんが、私は石田さん好きなので。笠井さんよりはソフトですか。

 

世間では鬼滅の刃が凄いですが、まだ読んでも観てもないです。

テレビで特集コーナーであらすじを紹介してくれるので興味深くみてます。

鬼になってしまった人間への想いが、この3冊を読んでて、理解が深いので、ハマったら敵、つまり鬼側で推しができるだろうなあ。まあ、今の所どこにも売ってないので買いませんが。

でもこっちBLのほうが、腐った主婦には

似合っているのよ。

 

 

今日の一作vol. 385 威風堂々悪女┅映画を一本観たような満足感。続きは無くても良かったかな?

 

威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

威風堂々惡女 (集英社オレンジ文庫)

 

瑞燕国で最下層とされる尹族の少女・玉瑛は、両親とともに貴族の屋敷で下女として働いていた。尹族というだけで物のようにこきつかわれ、物心つくころには家主の慰み物とされていた。それでも生きるためには耐えていたが、ある日皇帝の「尹族国外追放」の勅命により、両親は殺され、玉瑛は逃げて山中をさ迷い、追ってきた騎兵・青嘉に斬られてしまう。尹族で以前の皇帝の側室だった柳雪媛の謀反のために、尹族が差別されるようになったのだが、その雪媛への恨みを抱いたまま玉瑛は死んだ。と思ったが、意識を取り戻すと、なんと玉瑛は雪媛になっていた。

前世?に戻ってしまったのか?

玉瑛はならば雪媛として、失敗せずに、尹族を玉瑛をあんな目にはあわせないためにはどうすればいいのかを画策し始めるのだった。

 

 

時かけ」中華風というか、「君の名は」のアレンジ的というか。

展開早いけど、しっかり読ませる。面白かった!

その辺詳しくは読んでほしい。

ネタバレしちゃうとこれは面白くはない。

この一冊で充分出来上がっていたから、これで完結かとおもった。

続きはいらないのに、2巻がでました。

 

威風堂々惡女 2 (集英社オレンジ文庫)

威風堂々惡女 2 (集英社オレンジ文庫)

  • 作者:白洲 梓
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2019/06/21
  • メディア: 文庫
 

それなりに面白かったけど、一巻のようなスカッと感がない。俗っぽいというか、雪媛と青嘉の関係を進展させようとしてるのが、もちろんいいですけど、一巻の終わりで、一緒にはいるけど、恋愛はしないというスタンスで終わって、それがつれない感じでよかったのに。

着々と国を乗っ取る準備をしているのは、後宮物語的な感じですが、それを書きたいなら、読みたいなら似たような話はゴロゴロしてます。あれだけ一冊で内容つまってたのだから。

これからの展開で、何かまたわくわくできる話になっていくことを願います。