今日の一作vol.386 鬼の王と契れ···鬼を愛してはいけませんか?異種恋愛は数々あれど、鬼になるかどうか究極の選択を迫られる今作はただのBLとあなどってはいけない。
矢背一族は平安時代から続く鬼使いの家系。始祖は陰陽師とその妻になった雌鬼とのあいだに生まれた矢背秀守で、鬼の血が混ざっているからか、不可視の鬼を見、鬼と使役契約を結べる。その力を使い、陰から国を支え、一族は繁栄してきたが、段々と鬼の血が薄れ、鬼使いが生まれるのもめったになくなった。
そんな中、数年ぶりに鬼使いとして生まれた鴇守は体も弱く鬼を怖がり泣いてばかり。でも鬼にはモテモテで、鴇守に契約してもらいたい鬼が寄ってくるという悪循環。そんな鴇守を生まれたときからストーカーしていた鬼、夜刀は、鴇守になんとか近づくために、大鬼の姿を10センチの小鬼に縮めて鴇守が5才の時にやっと泣かずに側に寄ることが出来た。以来片時も離れずに、15才の時に、正式に鴇守は夜刀と契約を結ぶ。そして鬼使いとしての仕事をするのだが、力の弱い鴇守たちは失せ物探しのような仕事しかしてなかった。鴇守は暗殺や仕事の報酬として鬼に人間を与えるといことがどうしても嫌だったのだ。
しかしある時、徐々に体を大きくさせていた夜刀は鴇守に意見する退魔師に対する為に本来の姿を現してしまい、矢背の当主にバレ、鴇守は次期当主とされてしまう。
鬼使いとして最弱なのに、最強の鬼を使役している鴇守は悩むが、そこへ命を狙う死んだとされていた最強の鬼使いが現れ、鴇守は鬼下しを飲まされてしまう。鬼下しは鬼使いの力を無くしてしまう。そうなれば夜刀の姿も見えず使役も出来ない。苦しみのなか、鴇守は夜刀を愛していることに気付くのだった。
1巻は夜刀と鴇守が愛し合うことへ道のり。
2巻は鬼使いとしての鴇守の力の発動への道のりと、夜刀が凄い鬼だったということ。
3巻は鴇守と夜刀がずっと一緒にい続けるためには。そして封印されていた先祖の怨霊を治めるためにも鬼になることを決断する鴇守の、夜刀への愛。
が書かれています。最初はよくある異種恋愛かと読み進めてました。
弱いながらも自分の気持ちを自分でわかろうとする鴇守。そして赤ん坊の時から鴇守一筋の夜刀は鬼の業かなとどんどん惹き込まれていきました。
あらすじを書くのも苦労しましたが、色んな心理が書かれてるので、是非読んでほしいですね。ラストはぐっときます。
えっちは割と濃いです。
イラストの石田さんもわりとリアルタッチなんでファンタジーなイメージが好きな方は無理には勧めませんが、私は石田さん好きなので。笠井さんよりはソフトですか。
世間では鬼滅の刃が凄いですが、まだ読んでも観てもないです。
テレビで特集コーナーであらすじを紹介してくれるので興味深くみてます。
鬼になってしまった人間への想いが、この3冊を読んでて、理解が深いので、ハマったら敵、つまり鬼側で推しができるだろうなあ。まあ、今の所どこにも売ってないので買いませんが。
でもこっちBLのほうが、腐った主婦には
似合っているのよ。