今日の一作vol.315 鬼の棲む国…日本昔話+ファンタジー+美女と野獣
- 作者: 桜部さく
- 出版社/メーカー: KADOKAWA / アスキー・メディアワークス
- 発売日: 2017/11/07
- メディア: Kindle版
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以南の国々で十年ごとに1人、王族から北の国へといわば人質を送りその代わりに攻め込むのはやめるという協定を結んでいた。そして東の国が今年その役を負う。
東の国の第四王子のカナギは、昔落馬で負った怪我のために歩くのも杖を借りていた。そんな自分が出来ることは人質に選ばれること、と、常から北の国の言葉を学び様々な勉強をする。その努力もあって、やってきた北の国の使者・第六王子であり陸将軍でもあるサスナに選ばれ、北の国へと向かう。
そしてやってきた北の国では思っていた酷い扱いはされず、サスナに様々な贈り物をされたり、身体を求められても恋人のように愛されたりと、戸惑うばかり。
次第にサスナに心を開いていくが、それが恋情ゆえと思ってはいけないと、カナギは自分を自分で抑えこみ素直になれず。
鬼に食われる覚悟だったのに、思ってたのと違う、とカナギは混乱するのはもちろんですよね。
それに気付かずサスナは想いを伝えることもなくとりあえずプレゼント作戦。
それで辛抱たまらずいたしてしまうわけですが!そりゃカナギが抵抗できるわけもないのに、受け入れられたともうサスナは恋人気分。まったく。大きな鬼さんが右往左往してるのがなんだか可愛い。
所々に昔話のベースがあるけど、うまくミックスしてて、新人さんなのに巧みな方だと思いました。
イラストも闇丸さんなのにいつにない倭国っぽい衣装のせいなのか、武骨さがなくカナギが美しくて良かった。