ゆかのんかズよみごと!!

読んだこと見たことを思い出したらお知らせします。

今日の一作vol.307 記憶にない恋…大味すぎる

記憶にない恋 (ショコラ文庫)

記憶にない恋 (ショコラ文庫)

興信所の調査員として勤める土方は自分の両親たちの経験から浮気を許さず、離婚を推奨することが多かった。
新人のクニオと、ある夫婦の浮気調査に向かうことになるが、そのクニオは実は未来から来た工作員だと告げられる。そしてこの夫婦を離婚させると未来にて人類の危機にもなるという。
土方は信じられないとは思いつつ色々証拠をみせられクニオの任務に協力することになるが。


設定とかはいいんです。
ただあんまりにも簡単に恋に発展してくなあと。クニオにとっては何回目かの土方へのチャレンジで、土方に惹かれてしまいました、というのはわかるけど、過程が独白めいたものであんまり感情が読み手に伝わらない。
土方もクニオのどんなところに惹かれたのかは書いてますが、なんかはいりこめません。
シナリオを読んでいるみたいな感覚です。
むしろクニオの独白がない方がよかったのかも。
ごめんなさい。「君の名は」と「時をかける少女」のあらすじかいつまんだ感じの印象しかないです。
なんならもっと最初っからエッチしちゃってどうしようから始めてみるほうがBLらしく面白かったのかな。

今日の一作vol.306 王と緋の獣人…朱虎をもっとメインに出してガンガン攻めて欲しかった!

王と緋の獣人 (ショコラ文庫)

王と緋の獣人 (ショコラ文庫)

人間と獣人がいる世界。風樹国では共存を認めてはいるが、まだ獣人に対しての扱いは奴隷よりも低い。そんな国の第二王子、碧泉は、王位継承の証である翡翠と藍の瞳を持っていた。
碧泉は成人を迎えるまで城の外に出てはならなかったが、兄王子の青磁のために外にでて、賊に捕まり封印の剣により王位継承を封印されさらに売られようとした。だが子供の頃に出会い共に暮らしてきた獣人の朱虎に救い出される。
王位継承を出来るのは藍と翡翠の瞳を持つ者でないとならない。それ以外は王としての役目を果たせない訳があった。
奪われた封印の剣を探し出し自分か兄が封印を戻すしかないのだった。
そして6年がたち、とうとう父である王か亡くなり、風樹国が窮地にたたされるが。


ファンタジーとしてはよくできた設定です。封印の剣などのアイテムは大好きです。ですが、これはBLなんで朱虎と碧泉のラブがありそちらをメインにと考えるなら物足りない気が。
朱虎が碧泉を好きになるのはわかるし、碧泉も根っからの王子なんで守られて愛されるは当たり前だし、ずっと一緒でカッコイよく成長した朱虎に心も体も惹かれない訳ないのです。
だがしかし、2人がちゃんと気持ちを伝えあってないし、発情期でやっちまって気持ちは通じてるとは思うけど、朱虎の登場シーンがいつもいきなりだし、朱虎の気持ちより結局全ての悪意の元である青磁の気持ちのほうが詳しくわかるという、恋愛事情は4割程度の話に。エッチシーンはあるけれどねー。
あとラストにも、もし后を目処って子供を作らないとならないとしても、抱かれたいのはお前だけだ、と碧泉が朱虎に言いますが、それはいやだなー。
なんか救いの道を作ってほしかったなー。
それこそ翡翠と藍の瞳をもつ子を見付けるとか、封印の剣で代々王位を授けられるようにするとかさー。
ちょい不満足です。

今日の一作vol.305 真夜中クロニクル…旧版・新版ともに違った感動。好きです。

真夜中クロニクル (プラチナ文庫)

真夜中クロニクル (プラチナ文庫)

真夜中クロニクル (リリ文庫)

真夜中クロニクル (リリ文庫)

光線過敏症のニーナ。いじめられてひきこもりに。18の時に夜出歩いていると7津年下の陽光と出会う。邪険にしても慕ってくれる陽光。ニーナは少しずつ心を開いていく。そして月日が過ぎニーナは音楽で、陽光は役者として台頭していくことになるが。

ニーナと陽光の、苦しくてもそれぞれの道を進みながら互いに手を伸ばして、探り探り愛しあう様子が染み入ります。
新版のこちらは書き下ろしが一編入ってます。ニーナが東京へ引っ越した日のことです。可愛いです。
あとイラストが違います。
旧版は小山田あみさん
新版はyocoさん
どちらも好きですね。でも小山田さんのニーナは男前。yocoさんのニーナは繊細。陽光は小山田さんのほうがイメージぴったりかな。子供っぽいけど、いい男になりそうな感じが。yocoさんの陽光はもう大人として完成されてる気がします。
カットの場所も違うので、今回二冊を改めて読んで、同じ話ですが、なんかお得感ありました。
前もこの話をお薦めしたと思うけど、やはり良いです!

今日の一作vol.304 スイーツ男子の恋愛事情…甘いだけの話じゃなかった。甘いけど。

スイーツ男子の恋愛事情 (プリズム文庫)

スイーツ男子の恋愛事情 (プリズム文庫)

隠れスイーツ男子の冬真は、コンビニで最後の一個のクレープを同時に買おうとしてことで諒介というイケメン社長と知り合った。彼は冬真と違いスイーツ好きを隠さない。強引にもパンケーキ店に誘われ、そこからスイーツ巡りなどを楽しむ仲となった。
冬真は父親に男は甘いものなど食べるな、など男らしくあるべく厳しく言われそれに応えられない自分を駄目な人間だと思っていた。男としてコンプレックスを刺激される諒介だが彼といるのは楽しい。そんな時、自分でケーキを作ってみようということになり冬真は諒介の家へ。そこで冬真は諒介にどうしてだかおいしく食べられてしまい。


よくある話ですが、冬真と諒介の気持ちの揺れ動きがよくわかって面白かった。
冬真が自分に自信がないことやスイーツ好きを隠すことは、父親や家族との確執からなんだけど、それもまた諒介との出会いやつきあいの中で変化して、二人の関係ともによい方向へいってくれて、ちょっとハラハラするけど、うまい具合にニヤリとさせてもくれる。
うまい作家さんだと思います。
普段は乙女系のほうを書いているらしく、BLは久しぶりとありましたが、すっきりと読みやすい文体ですし、他の話も読んでみようかなと、思いました。 
パンケーキ食べたくなりました。(≧∀≦)

今日の一作vol.303 獅子王子と運命の百合…もふもふアラビアン、あとひとパターン欲しかった

獅子王子と運命の百合 (ショコラ文庫)

獅子王子と運命の百合 (ショコラ文庫)

神社の四男・喜祥は商社に勤めるかたわら、家の神事の神楽では笙を吹いていた。それを見ていた休暇で日本を訪れていたアラビア半島の小国・シンラー王国の王子ラシードに見初められ、いきなり私の牝になれと迫られる。むろんキッパリ断るが、ラシードは何故かするすると家に居ついて牝になれと口説く。実はラシードは獅子族という稀少な一族でそして喜祥も僅かにその血をひいているという。そして男であり牝でもある、いわゆる両性であるといい、喜祥も知らなかった牝の穴をさぐり指を入れて真実だと教える。そして当然のように種付けをしようとするが。


設定やラシードや喜祥、その他登場人物も個性的で面白いです。
喜祥もラシードも惹かれ合っていく過程もよくわかるし、喜祥が前はダメと頑なになるのもわかるし、ラシードが喜祥にはちゃんと向かい合うためにも喜祥からお願いされるまではと約束を守るのもわかる。
でも、同じようなやりとりが続き、そして同じような邪魔というかが入るので、ちょっとくどいかな。
そのやりとりをはしょって、二人が結ばれてからのをもう少し書いてほしかった。
できれば、チビもふ見たかった。
子供できました!まで読みたいでしょ。
なんかお預けばかりでようやくと思ったら寸止めされた気分。
本の厚さのわりには、主人公たちのスペックのわりには、普通。
もったいないな。

今日の一作vol.302 初恋インストール…泣ける乙女ゲーならやってみたい。制作サイドが熱いんです!

初恋インストール (ショコラ文庫)

初恋インストール (ショコラ文庫)

ファンタジーゲームに愛を注ぐシナリオライターの英二は融通が効かず取引相手ともめて仕事を切られてしまった。有名なクリエーターの兄に拾ってもらい、もらった仕事は大手ゲーム会社のシナリオ。出向扱いで行ってみると、ファンタジーのはずが、専門外の乙女ゲームのシナリオ担当に。自分にはとても無理だと
思ったが、王子様系ディレクターの寿里
ワンコ系の巽、傲慢不遜な俺様プロデューサー十貴田の3人をモデルにヒロインとして書いてみては?と言われ、後がない英二は新規一転するためにも、ヒロインの気持ちになるために、十貴田に口説いてくれともちかけて。

なんだか純粋なBLを読んでいるというよりは、お仕事話の行き着く先がBLだったという展開でした。
話はとても引き込まれて面白く確かにこんな乙女ゲームがこんなシチュエーションで作られていたら萌えるなあ。
カップルの2人がともにノンケなのも興味深いです。
ただ英二をもう少し可愛い外見上にしてやってほしいなあ。イラストではただのプリン頭の兄ちゃんで、寿里さんが磨いてあげてほしかったな。
周りの人達も個性的でそれぞれの味もちやんと出てて、そこが余計主役の2人を盛り上げてくれた。
読む前は何かつまらなそうで軽そうな話かなと、勝手に思っていたけど、なかなかに深い話でした。
ちょっと普通の甘々な話に飽きてたらお勧めですね。

今日の一作vol.301 モブの恋はままならない…モブだって恋したい。諦めないで主役になろう!!

モブの恋はままならない (二見書房 シャレード文庫)

モブの恋はままならない (二見書房 シャレード文庫)

清瀬征一は整った外見に背も高く仕事もでき性格も真面目で優しい。一見モテそうなのに、いつでも脇役。征一に恋愛相談するとみなうまくいく。社内では縁結びの神様と呼ばれる始末。そんな征一が出会った、男前なのに万年当て馬という御堂健吾。互いに染み付いた属性に翻弄され、互いに勘違いで自分以外を好きなんだろうと恋の成就に協力してしまうが。
  
あるねーこういうこと。
いつものパターンで自分じゃないとひいてしまう。脇の属性のつらさよ。
もうそこを実に面白く書いてて、あまり期待してなかったけど、買って良かった!
年下攻めも大好きなので、征一のような何でも出来る相手に御堂のようながつがつくるけど包容力とある若者はぴったりです。
最後のショートで年下同士の悩みなど、ぷぷぷと笑ってしまいました。
海野さんの話はコメディなんだけど、折々にわかる!というとこがあって読みやすい。
ほかほかしました。